照らす太陽

□11枚目
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あの三人は学習能力がないのか
海に遊びに行って朝帰りをしたかと思ったら、今度はノヴァの家に泊まり込むとは
しかも、しかもだ

『男2人と一枚の毛布を分け合っただと・・・?』

フェリチータは自分が年頃の、思春期の男子の劣情を煽る美少女だという自覚がないのか
きっと無いんだろうな

人生の大半をマンマとルカだけと過ごしているのだから
ルカは男と言っていいのか悩むほど、雰囲気が柔らかい
仕える主によからぬ事を考えるような馬鹿もしてはいないと思われる
よって男にいろんな意味で免疫がないのだろう

ル「ですが、ノヴァの両親が目覚める見込みが出たそうですし。
結果としては良かったじゃありませんか」
『だがなぁ』

座っている椅子をクルクルとまわしながら会話をする
自分でもどうにも退行している自覚はあるが、ルカがいると気が緩んでしまう
膝にエルモを座らせその柔らかな頬の感触を楽しむ

エ「ディクお兄ちゃんと、この時間にお話しできるなんて思わなかったよ」
『ルカが手伝ってくれたからな。
ルカも昔はパーパの秘書をしていたんだ。パーパ代理もしていたってんだからすごいよな』
ル「いやぁ」

照れながらも、お茶の準備をしている
ルカと仕事を二分しているため、単純計算でも所要時間が二分の一になっている
まだこの体制にして2日目だが、かなり負担は軽くなった
様子を覗きに来たのだろう
エルモが来たときには仕事終わりで一服をしようかという時だった

ル「どうぞ」
『ん〜』
エ「ありがとう、ルカお兄ちゃん」
ル「お、お兄ちゃん!良い響きですね」

いや、本当にお前の弟だっての
ジョーリィの、たとえホムンクルスでも息子なのだから
エルモとこっそり笑いあう

エ「明日はアルカナ・デュエロなんでしょ?
僕、ディクお兄ちゃんの事応援するからね!」
『エルモはいい子だね』

癖のある黒髪をかき混ぜる
なんか俺、この子のためにだけでもがんばれそうな気がする
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