照らす太陽

□8枚目
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パ「大事な仲間を馬鹿にされて、黙って見てるなんてオレにはできない!!!」

右手の甲に刻まれた刻印が発光し、渾身の一撃が繰り出される
パーチェのタロッコは【力】
肉弾戦では圧倒的にジョーリィが不利だ
慌てて受け止めようと前に出るが、それよりも先にジョーリィ―の右手が掲げられる
錬金術により空間に盾が生み出され、パーチェの拳を受け止めている

ジョ「言っただろう、呑み込めと」
パ「ルカもデビトも、いつかちゃんと自分で決着をつける。
でも、オレは我慢する事なんてできないよ。
ディクまで利用して、俺にはそれが許せない!
ポルチ トゥット トゥラパッサーレ!!」

アルカナ能力とただの錬金術
軍配は当然前者に上がる
盾は破壊され、華奢な体が吹き飛ばされる
背を強かに打ち付けたステンドグラスが砕けた事に衝撃大きさを思い知らされる

『ジョーリィ!』
パ「ねえ、ディク。もうそいつに関わるのは止めなよ」

肩に置かれた手を乱暴に振り払う
お前に、お前たちに何が分かる
俺が求めたって得られないものを持っているくせに

『ふざ、けるな・・・。
この男は、俺のたった一つだけの居場所なんだ!
邪魔はさせない。もう、誰にも奪わせない。
俺には、ここしか残ってないんだ・・・』

目の前が滲む
ここまでジョーリィに傾倒すれば、ルカが俺に関わってくる事も無いだろう
これでいいんだ
俺の安らぎは、ここだけで充分なんだ

立ち上がろうとするジョーリィに手を貸し、その手を無理矢理引いて教会を立ち去る
大人しく従ってくれているのは彼らしくない

ジョ「よかったのか」
『良いも何も、最初に戻るだけだ。
妹が来てからの数日がおかしかったんだ。これでいい』

泣くものかと耐えていたのに
ジョーリィの私室にたどり着くや否や、幼い頃のようにその胸にすがってしまう
声も出ないほど泣きじゃくる俺の髪を梳く手つきは記憶の中と変わらなくて、
余計に泣けてきて
俺は幼子のように泣き疲れて眠ってしまった
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