照らす太陽

□8枚目
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嗅ぎなれた葉巻の匂いに顔を上げると、遮光ガラス越しに目が合う
どうやらジョーリィは吸血鬼生活は止めたようだ

ジョ「クック、それは残念だ。
かくれんぼなら私も参加しようと思ったんだがな」
『うわ、気持ち悪っ』

年齢不詳のジジイがかくれんぼとか
歳を考えろ、歳を

デ「ジジイ、何しに来た」
ジョ「何しに来たとは心外だ。
お嬢様の誘いを無下にはできまい?
君たちが忘れている【太陽】のほうが、私には優先されるがね」

まさに一触即発
さすがに神の御前で争いを起こすわけにはいかない
どうにかして治めなければ

デ「来んじゃねェよ。
テメェのツラ見ると吐き気しかしねェ。
俺たちを道具扱いしやがって」
ジョ「私を殺したければ、もっと心を強くしなければ。
そう、そこのお嬢様に心を覗いてもらうのはどうだ」
ル「ジョーリィ、もうやめてください。
自分の言葉が人から反感を受けることを理解してください」

反感を買う?
それは間違いだ
図星を指されるから苛立つんだ
まあ、俺のように感じられる人間はそうはいないだろうが

ジョ「良い事を教えてやろう、お嬢様。
ルカ、パーチェ、デビト。この3人のスティグマータは私の実験の結果宿ったものだ。
いろいろと試してみたが、成功したのはこの3人だけだった」
フェ「え・・・」
ジョ「だが、恨まれる筋合いはないはずだ。
身寄りのないお前たちに、ファミリーという居場所を与えてやったのだから。
そうだろう、ディクター?」

突然俺に振って来るな
だが、俺は確かにスティグマータとの契約でファミリーという居場所をかろうじて得た
だから俺には反論できない
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