照らす太陽

□7枚目
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ルカの頭上に戻っていたシルクハットが、再びかぶせられた
顔面に

『なっ・・・』
ル「私は、確かにディク様との約束を忘れてしまっています。
あなたにああ言われて以来、思い出そうと努力はしているのです。
約束をしたという事実は覚えているんです。ですから、もう少し待ってください。
必ず思い出します。
そして、思い出せたら」

帽子を押さえつけていたルカの手が離れる
抑えられている間、そこそこ息苦しかったんだが・・・
こいつ、俺に対して扱いが若干雑じゃないだろうか?
大事なお嬢様じゃないにしても、窒息は止めてくれ

そんな反抗心もあって、わざとルカの顔を見ないようにする
そうしたら、両手で頬を挟まれ、無理矢理見上げさせられる

ル「私を、再びディク様のお傍に置いてくださいますか」

来年三十路の男に言うのもおかしいかとは思うが、ルカは花のような笑みを浮かべた
顔を固定されているせいで視線を逸らす事もできない

『や、約束はできない』
ル「だめです。約束ですよ。
あなたは小さい頃から約束だけは決して破りはしませんでした。
ですから、約束しましょう。私があなたに応えられるように」

そのまま逃げられないように肩を押され、結局薬草園に戻されてしまう
帰り道にフェリチータに言われたんだが、その時のルカの笑顔は、怖いほどだったらしい

リベルタとノヴァが飛び込んできたり、記念写真を撮ったりといろいろ起こりはしたが、
まあ、たしかに楽しい休日ではあったか
これでマンマも余計な心配はしないだろう

現像した写真を眺める
引き攣った笑みがデビトと揃ってしまったのは仕方がない
笑いかける相手も居ないのに、かんたんに笑みを浮かべられるパーチェやルカがおかしいだけだ
今まで活用した事も無かった写真立てに飾ると、部屋の明かりを消した
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