照らす太陽

□7枚目
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松明など、明らかに人の手が加えられている様子の洞窟
パーチェの悲鳴が響く

フェ「パーチェ!」
『っ』

片手をスティレットの柄に置いたところで気が付く
ここはルカの「秘密基地」に至る道だ
つまり手を加えたのはルカ
ならば心配はいらないだろう

デ「いいねェ、凛々しくて。
さっすが双子。いーきピッタリ」
『ルカ、やりすぎじゃないのか』
ル「このくらいでいいんです。むしろ、足りないくらいですよ。
ジョーリィはこの程度では追い払えません」

壁に突き刺さった矢を抜き取り、地面に放り捨てる
木製でなく金属製なあたりにルカの本気度が分かる

フェ「ルカはジョーリィが嫌いなの?
錬金術の師匠なんでしょ」
ル「確かにあの人は錬金術師としては天才です。
ですが、人間としては尊敬できません」
『同感だ』
デ「へェ、意外じゃねェの。
オメーはあいつにガキの頃からベッタリジャねェか」
『あれを見習ったら大変拙い結果になるのは事実だろう』

珍しく気が合うな
まあ、懐いていたというのも事実ではあるし
あまり強くは言えないが

    グキュルルル〜〜〜

パ「あっはっはっは・・・」
『とんだ底なし沼だな、お前の胃袋は』
デ「同感だ。明日は嵐になるだろうな。テメーと意見があうなんて不気味で仕方がねェ。
さっさとこんな辛気臭い場所は出ちまおうゼ」

      カチッ

踏み出したデビトの足元で、嫌な音が鳴る
今度の罠は網か
つるし上げられたパーチェを置いていこうとしたのはご愛嬌だろう
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