照らす太陽

□7枚目
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2時間ほど歩いただろうか
そろそろパーチェが音を上げる時間だ

    グ〜〜〜〜〜

パーチェが、じゃなかった
パーチェの腹の虫が、が正しいな

パ「ルカちゃん、オレ限界・・・」
デ「毎年毎年思うがよォ。ルカちゃん遠すぎんぜ」
パ「いくらジョーリィの目を盗むためって言ってもさ」

俺を連れて来たらジョーリィにバラされるとは思わなかったんだろうか
とはいえ、確かに遠い気がしなくはない
しかも舗装された道じゃなく森の中だ
疲労は倍加する

フェ「ジョーリィの?」
ル「私が館の庭で薬草を育てているのはご存知ですよね?
ジョーリィはそこからいつも勝手に薬草を盗んでいくんです。
ですから、彼の目の届かない所に作らなければならず・・・」
パ「ま、いわばルカちゃんの秘密基地ってところかな」

パーチェが用意したおやつをつまみながら休憩をする
久しぶりに日の光を浴びているせいだろう、目が乾いて仕方がない

ル「ディク様?」

小さな声ではあったが、いきなり名前を呼ばれて驚いた
顔を上げるとルカの手が俺の目を開かせる

『っ?』
ル「ああ、やはり充血していますね。
直接日の光を見る事が少なかったせいでしょうね。
気休めかもしれませんが、これを」

軽い音を立てて頭に乗せられたのは、ルカがいつもかぶっているシルクハット
確かこれはフェリチータからルカに贈られた、彼にとって大切なものだったはず
こうも気軽に借りてしまっていいのだろうか

ル「さあ、そろそろ行きましょう。
もうすぐですよ」
『・・・ありがとう
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