照らす太陽

□4枚目
2ページ/5ページ

『――という事だ』

一日の報告を終え、一息をつく
ダンテは葉巻を吸っていないというのに、ジョーリィは相変わらずだ
ああ、それで思い出した

『それと、町の雑貨屋でリベルタとフェリチータが売り子をしていた。
事の顛末は知らないが、一言言っておいてくれ』
ダ「その事ならノヴァからも報告が来ている。
なんでもサマンサさんの所に行こうとして、近道だと言って屋根に登り落ちたらしい。
その下にあったのがあの店だそうだ」
ショ「クク、なんとも傍迷惑な子供たちだ」
『大怪我になっていないならば、問題はないだろう。
それでアルカナ・デュエロに支障が起きても困る』

あれは、滞りなく執り行われなければならない
正々堂々、参加者全員が最良の状態で挑めるように
そう取り計らうのが俺の仕事だ

ダ「まるで他人事のようだな。
お前も参加者の一人だろう?」
『俺には関係のない話だ。
むしろ俺は、主催側だろう』

己の立場は理解している
下手に勝ち残るのも面倒だし、大アルカナと当ったらさっさと負けることにしている
妹と当ったのならばなおさらだ
俺には叶えたい願いなどもない
参加する意義すらない

リ「ダンテッ!」

突然ドアが開き、リベルタが飛び込んできた
ノックすらしないとは、常識がないのだろうか

リ「なあ、これ見てくれよ!
カッコいいだろ?」
ダ「っ」

白を基調とした、ごく普通の仮面
ダンテがそれを見て表情を変えた意味が分からない

リ「俺が施設に居た時、仮面の男が助けてくれた話したろ。
もしかしたら、同じ仮面なのかな?」
ダ「・・・」
リ「なんだよ、喜んでくれると思ったのに・・・」

親に褒めてほしい幼子のような行動だな
一体お前はいつまで子供のままでいる気だ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ