照らす太陽

□2枚目
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追加できた書類伝手にフェリチータが<剣>の幹部になったことを知る
このタイミングで幹部が空席である<剣>に配属になった意味を、彼女は知っているのだろうか
いや、知る必要もないか

    コンコン

『入れ』
ル「申し訳ありません、ディク様。
お嬢様はいらしていませんか」
『はぁ・・・。
初日から行方不明になるとは大したものだ。
ここには来ていない』
ル「そうですか・・・。
あの、換気をしませんか?
これでは少々煙臭くは」
『書類が飛ぶ。必要ない』

しゅん、と沈んだ様子でルカは部屋を出て行った
何やらあちこちで破壊音がするのが気にはなるが、俺は俺の仕事をこなそう
再び取り掛かろうとしたその時

     バンッ

ノ「ディクター様、ここに白い子猫が」
『来ていない。
今日は皆、探し物をする日か』
ノ「そ、そうですか。
お騒がせしてしまい申し訳ありません」

2度扉が開いた事で新鮮な空気が流れてきたせいで、いかにこの部屋が煙臭いかを思い知る
仕方なく書類の山に一つずつ重石を乗せ、窓と扉を開放する
珍しくジョーリィが昼の日の中を歩いているのが見えた

『明日は雨、いや雪が降るな』

こちらに気が付いたのだろう、見上げたジョーリィとサングラス越しに目があった
嫌味に口角が上がっているのを目にし、遊ばれていたのだと確信する

『嫌味な奴め』

す、とその視線が外れて
一本の木を見上げる
あいつが意味もなく、たとえからかう為だとしても、何かをするとは思わない
仕方がない
仕事が終わり次第、見に行くしかないな
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