照らす太陽
□1枚目
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ゆっくりと石畳に靴音を響かせながらレガーロの町を散策する
今日もこの町は平和で、にぎやかで、華やかで
ささくれ立っていた心が癒されてきていたというのに
ドォン・・・
空気を震わせ爆発音が聞こえてくる
『派手にやってくれるじゃねえの』
聞こえてきた場所からの距離はまだあるようだったが、見当をつけて駆け出す
裏道を選んで走っている間に聞こえてきた銃声やら爆発音やら、悲鳴やら
肝を冷やしながら先を急ぐ
『頼むからさ、一般人に怪我人だけは出さないでくれよなっ・・・!』
半ば祈るような心持で人垣の先頭に立つと、幸いな事に主犯であろう男はすでに
捕らえられていた
周りで見ている人たちにも、ぱっと見る限り怪我人はいないようで
だが、ホッとできたのは束の間だった
「お、おおお、オイッ!
こ、こいつを返してほしけりゃなァ!!!
俺たちを通しやがれ!!」
なぜかパンツ一枚になっている男の仲間だろう
その手が男の子の首にかけられていた
その子の目に、見る間に涙が浮かんでいく
「た、たすけて」
か細くも確かに耳に入ってきたその言葉に従って俺は動く
一瞬で間合いを詰めると、少年の首を握るその手の甲を渾身の力で蹴り飛ばす
一瞬だが力が緩んだのを見逃さず、第二撃を放つ
今度は完全に男の子の首から手が離れた
デ「ヒュウ、やァるねェ」
『お前たちの詰めが甘いせいだ。
尻拭いをするこちらの身も考えろ』
解放された少年を背後にかばい、反対の手で使い慣れた得物―スティレット―を構えた