照らす太陽
□17枚目
1ページ/2ページ
今日は<金貨>の仕事を見学しようとイシス・レガーロに来てみたのだが
なぜこんな事になってしまったんだ
『よろしいですか?
それでは、カードオープン』
なぜ俺がディーラーをやらされているんだ
できない訳ではないが、<金貨>の奴らに比べれば当然拙い
負けが立て込んできている
デ「んだよ、使えねェな」
『うるさい。
俺は慣れていないんだ。
そんな奴にやらせるお前が悪い』
肩の上に肘を置かれ、頬杖をされる
重い
と言うか痛い
俺が弱いのもあるが、今相手をしているうちの一人が無茶苦茶強い
ルカ並な童顔なくせに、勝負どころを見抜く目がすごい
かと言って、イカサマをしている様子もない
デ「仕方ねェな、変われ。
野郎の相手をするなんて癪だが、これじゃ大赤字だ」
一勝負が終わったところで脇に押しのけられる
普段はアレだが、さすがは<金貨>の幹部
着々と負け分を取り返していく
「すごいな」
どこかデビトに似た、だがもっと柔らかい声音でその男がしゃべる
彼の前に積み上げられていたチップは、デビトと五分五分になっていた
いつの間にやら彼とデビトの一騎打ちになっており、ギャラリーも集まってくる
「いや、楽しかったよ。
また遊びに来る」
そういって彼は積んであったチップをすべてデビトの方へ押しやった
彼はその身に好奇心いっぱいの視線を受けながら、ますっぐカジノを出て行った
デ「なんだあいつ」
『同感。
俺がカモにされたのかとも思ったが、あの様子だともともと勝つつもりがなかったような』
デ「だよなァ」
互いに首を傾げながらその後ろ姿を見送った