照らす太陽

□11枚目
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カーテンが誰かによって開けられ、顔面に日光が当たる
感覚的にはいつもと同じ時間
だが、起こされ方と前日までのせいだろう
思わず掛布団の下に潜り込もうとしてしまう

ル「ああ、いけませんディク様。
起きてください」
『るか・・・』
ル「はい。おはようございます」

促され、体を起こす
なんだかひどく懐かしい夢を見ていた気がする
でも、これは夢じゃない

『ん、おはよう』

頭を振って眠気を払い、今度はしっかりと発音する
パタパタとせわしなく駆け回りカーテンを開けたり窓を開けたり
ルカが働くのを眺めながら、こっそりと笑う

寝間着から服を着替えていると、ようやく動き回る音が止まった
ワイシャツを羽織ったまま振り向くと、今度はコーヒーを淹れている

『俺の世話なんか焼いていていいのか?
フェリチータの方はどうした』
ル「昨日言ったじゃありませんか。
もうパーパにも伝えてあります」

だから良いんです
なんて笑顔を向けられる
ジャケットも羽織り、渡されたカップを受け取る

ル「今日の昼食は、お嬢様の快気祝いでマーサがご馳走を作ると言っていました」
『ふ〜ん』
ル「他人事のようですねぇ・・・。
ディク様も参加しないとダメですよ」
『俺いらなくないか?』
ル「ダメです」

こうなるとルカは頑固だ
仕方がない
気まずい思いをすることになるだろうが、参加するしかないか
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