照らす太陽

□10枚目
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結果から言えば、パーパの容体は改善した
だが、やはり対価は妹の方に降りかかる
力を使った直後に崩れ落ちた体を支えたのは、目を覚ましたパーパで
俺は急に力が抜けて外れた手を追う事しかできなかった

モ「フェリチータ!フェリチータ!!」
ダ「遅かったか・・・」

騒ぎにファミリーが集まってくる
だというのに、妹は目を開けてくれない

『ふぇり、ちーた・・・』
モ「目を開けてくれ、娘よ!」

もはや懇願の態を表してきたその声
覚悟はしていたはずなのに
でも俺の力があれば、対価を軽くしてやれるかもしれないと思っていた
それがどんな自惚れかも自覚せずに

モ「! フェリチータ!」
ス「よかった、目を覚ましたのね」

開いた瞳に、いつもの輝きはなかった
俺は、失敗したんだ

フェ「・・・だれ?」

フェリチータは記憶をなくし、生きる人形となった
俺がよかれと思って能力を強化したことにより、対価が大きくなってしまったのだ
記憶もなく、自我もない

自分で言ったじゃないか
何かを起こすには対価が必要だと
結果が大きくなれば、その分対価が大きくなるのは当たり前じゃないか

俺はファミリーから、太陽を奪ってしまった
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