照らす太陽

□8枚目
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ジョーリィがどう言ったのかは知らないが、俺は傷が塞がるまで
というよりも最低でもアルカナ・デュエロが終わるまでは休暇扱いにされてしまった
その所為なのかはわからないが、よくルカが世話を焼きにやって来るようになった
おかげで以前よりもはるかに健康的な生活を送る日々だ

まあ、ここに来る最大の理由はフェリチータに邪険に扱われているせいだろうが
最近は幹部としての自覚も出てきているのだろう
ルカに世話を焼かれるのを嫌がっている様子が見られていた

『お嬢様の所に行かなくていいのか?』
ル「ディク様まで私を邪険に扱うのですかっ」

普通にしていれば整った顔立ちをしていつというのに
こうもクルクル表情が変わるさまを見ていると、いろいろともったいない気がしてならない

思わず笑ってしまいそうになるのを誤魔化すために外を眺めると、
噴水の所でエルモとフェリチータ、そしてリベルタが話しているのが見えた

ル「おや、あの子は・・・」
『会ったことないのか?』
ル「ええ、って、ジョーリィ?!
え、頭を撫でっ」
『隠し子ではないぞ』

まるで俺の話を聞いていない
衝撃の映像を必死に拒絶しようとしているのだろう

それにしても、ホムンクルスでも似るのだろうか
性格はルカのように礼儀正しく育ってはいるが、緩い癖のかかった黒髪は
ジョーリィとルカ、どちらにも似ている

ル「ディク様、笑っている場合ではありませんっ。
あの子はいったい誰なんです」
『あんまり気にしなくてもいいと思うぞ。
少なくとも、ジョーリィはあの子の事を可愛がってはいる』
ル「そういう話ではありませんっ!」

声を荒げるルカをスルーして、本棚に近づく
このくらいの難度ならエルモはもう読めるだろう
本を持っていくと約束した日から、大分日が経ってしまっていた

『着いてくるなよ。
お前の大嫌いな男に会いに行くんだからな』
ル「ディク様っ!!!」

あーあー、うるさい
お前の声はよく響くんだよ
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