過去Web拍手

□好きな人
1ページ/1ページ





「あのね〜私好きな人ができた!」

「・・・え!?」



今俺の隣にいるヤツは、突然こんなことを告げた。

俗に言う、"幼馴染"ってやつ?


「へ、へ〜え、」


いかにもリアクションを取りずらい返事を返す俺。

何でって?



だって好きな人から『好きな人ができた』って聞いたら、
誰だって少なからずショック受けるやん?



「え、何?そんなビックリすることやった?」


人の気も知らないで、そいつはけらけら笑う。


「でね・・・その人に告白しようと思う!」

「はぁ!?」

「"はぁ!?"って。別にいいやんそんくらい」



いやいや、それは俺にとっては結構重大なことなんやって。


でも・・・今の俺にそんな勇気がなかった。



「うまくいくかな〜?」

「そんなん俺に祈ったってアカンやろ」


その"好きな人"が誰かは知らへんけど、
コイツも別に悪いやつじゃないし、結構いいやつやから振る理由もないやろうな。


「はぁー・・・」


思わずため息が出る。


「ちょっと、やめてや縁起でもない」

ため息くらいでるやろって言いたかったけど辞めた。


俺は俺にできることをすることにしよう。

コイツの・・・幸せを祈ろう。

うん、決めた。


「告白するって決めたんなら、早く行ってこいよ。」

「あぁ、そうやね。」



あーあ、俺の恋も終わるときが来た。

コイツはコイツで、幸せになるんだ。




「じゃ、思い切って言うね。


















・・・・・・・・・好きです!!」













「えぇ!?!?」









この後、俺もこいつも幸せな笑顔に満たされたのは、

言うまでもない?




 

 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ