Tough weeds〜光の射す方へ〜
□第3話
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〜リュウジside〜
2階にある独房。
俺とシュンは、隣あわせの房に入れられていた。
『シューン!大丈夫かー!』
「おお」
『そっか、良かった良かった。しっかしなんや、ここ。狭いし、くっさいし・・・はやくZ房に帰りたいわ』
「あんな奴らでも、おった方がええねんな。」
『おう!俺なんかZ房がホテルみたいに思えてきたわ!』
「ホテルって。なんやそれ(笑)」
「リュウジ、お前でもキレることってあるんやな」
『そりゃあるで!俺な、曲がったことが大嫌いやねん』
「お前、何でここ(刑務所)に来たん?」
『・・・俺の住んでる町に、イヤな奴がおってん。
弱いたつを痛めつけるようなやつで、ちょっと懲らしめてやろうと思って。
でも、ちょーっとやりすぎました!お前は?』
「俺か。俺は家族を養うために博打に手出したら。・・・まぁ、こうなってもうた」
『家族!?え!子持ち!?』
「アホ(笑)弟や。」
『ごめん、分かってた(笑)』
「サトシっていうねん。親に捨てられた、二人っきりの兄弟や。」
『そっか・・・』
「あいつ、今は施設におんねん。俺は留学してることになってて。
元気にしとるかなぁ・・・?」
肩をすくめるシュン。
弟のこと、心配なんやろうな。
「Z房のやつらもな、根はいいやつばっかりやねん。
誰かをかばって捕まったやつ、貧乏な生活のために盗みをしてしまったやつ。
俺も、もう出所が近いねん。ホントはこんな無茶したらアカンのやけどな。」
『せやな』