バトルロワイアル

□第2章
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〜涼也side〜



『一体、何が起きてるん?』
「さぁ・・・」


まるで夢でも見ているかようなゲームの開始を告げられてから約3時間ほどが経つ・・・んかな?

さっきから同じようなやりとりを繰り返しながら、
僕と風雅は森の中をさまよっていた。


最初は実感が全くなかったけど、
時間が経つにつれて、誰もいない森の中を歩いていくにつれて、
恐怖と不安が増していった。


・・・もし、誰かが本当に殺し合いをはじめてしまったらどうしよう


『殺し合いって、なんやねん・・・』
「・・・」


こんなの嘘やと、悪い夢を見ているんやと思いたくても、
自分の手に握られている銃を見ると、現実なんだと徐々に痛感させられた。

これから皆が殺し合いを始めるかもしれないなんて、怖くて怖くてしょうがない
ドラマや小説みたいな話が現実に起こるなんてな・・・


『風雅・・・なんか危険になったら俺殺してええからな』
「はぁ?何言うてんねん」
『俺、こんな中で生きていきたくないわぁ』


このとき僕はまだ、これから襲いかかる悪夢を想像していなかった。
・・・いや、できなかった

今まで一緒だった殺し合いするなんて、思ってもみなかったから。
こんな身近な人たちの間で。



ガサッ



ビクッ



『なんや鳥か、』
「なんか嫌やな。こんなちっさい音にも反応してしまうって」

『うあっ・・・』
「あ・・・」


歩いていた僕らの前に現れたのは、死んでいるのか無残に倒れてる鳥。
誰かが撃ったんやろうか・・・
それとも俺らの前にもこんなことが繰り広げられていたんやろうか・・・

怖い・・・怖い・・・


『俺もあんなんなってまうんかな』
「アホなこと言うなや」
『ごめん・・・でも、でも、俺・・・・・・こんなことしたくない!!』


突然僕の中で何かが切れたかのように、こらえていたものがあふれ出した。


『情けなっ。俺・・ホンマにダメやな・・・』
「・・・絶対、死なせへん」
『・・え?』
「お前は死なせへん。俺が約束したるわ!」


そう言った風雅の肩も震えていて。
怖いのは俺だけやなかったんやって思った。


『ありがとう・・・でも俺、風雅と離れる気ないからな』
「軽いストーカーやんその言い方」


よし、くよくよしてたらダメやんな。
生き残るとかはともかくとして、俺は強くならなアカン



・・・でも、現実はそう甘くはないんやな・・・・・・・・・



『風雅のおかげでちょっとだけ元気でた気するわ。誰か殺すつもりはないけど』
「当たり前や、一緒にやってきた仲間を殺せるわけ・・・
―パーンッ
っ!!・・・うぅっ・・・ゴホッ」


突然、風雅は僕のほうへ倒れかかってきた


『え、ちょ、風雅?』


明らかに様子がおかしい。
それに、確かに聞こえた・・・





銃の音。





まさか・・・・・・




僕にもたれかかった風雅を支えている自分の手を、片方だけ外し、見てみた。





僕の目に映ったのは、

真っ赤に染まった自分の手。


そして、


わき腹から胸のほうまでを真っ赤に染めて倒れこむ、

風雅の姿だった。




 
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