雪泡の宝
□30
1ページ/4ページ
「ちょっと燐華ちゃん」
「何ですか?お雪さん」
廊下をのんびり歩いてたら女中でも古株のお雪さんに呼び止められた
「ちょっと頼みごとがあるんだけど……」
「………重い…」
只今私は重い重いスーパーの買い物袋を引きずって歩いていた
お雪さんが言うには今日の夜にビックリドッキリ宴会をしようと近藤さんが言いだして
女中さんはその宴会の準備を頼まれて隊の人達にばれない様に準備をしているが宴会の準備以外にも洗濯物や掃除があるため手が足りないそうだ
そうして私がこうやってお雪さんの有無を言わさない無言のほほえみの所為で宴会の買い出しに行ってるわけだ
…………あれ?私隊士だよね?
ビックリドッキリ宴会の意味なくね?
もう分かっちゃったくね?
………まぁ良いけど
「ハァ〜づかれた〜」
結局買い出しだけじゃなくって料理の支度、洗濯物を畳んだり、掃除をしたりして気が付いたころはもう日が沈んでいた
「どうしたんだよ…なんかお前やつれてね?」
「副長〜」
副長は煙草をふかしながら私の横に座り込んだ
「副長もやつれてますよ」
「そりゃあ、何処かのドS王子のせいだ」
二人で溜息を零す
「で、お前は何でやつれてんだ?」
「………色々ありまして」
「お〜い!!トシ! 燐華ちゃん!!ちょっと広間に来てェェ!!」
局長の野太い声が廊下の突き当たりら辺から聞こえた
「ったく何だよ近藤さん」
副長の後に続いて広間に向かった
.