儚く恋しい“波乱万丈”

□08
1ページ/8ページ



風邪もすっかり良くなり、俺はのんびりと日曜日という最高の日を楽しんでいた。
朝からご飯を食べた後、元親とゲームで対戦。それを見ていた幸村が、「某とも勝負をッ!!!夏流殿ッ!!」と言ってきたのでそれを承諾し、いざ尋常に勝負(笑)。そして、極めつけは政宗との勝負。
そして只今、昼食を食べて自室で休憩中。

「はぁ〜…つっかれたー…」

ベッドにだらしなく横になり、大きな溜め息を吐く。しかしその溜め息は憂鬱なものではなく、ただ遊び疲れて出た至福の溜め息だった。
すると、ドアをノックする音がした。

半「夏流君、ちょっと入って良いかい?」

「え?あ、半兵衛!?」

半「…ダメかな?」

「あ、いや、いいよ」


ガチャッ


静かに入ってくる半兵衛。仮面の代わりに眼鏡を掛けている姿は、どこぞの生徒会長っぽい。


まぁ、確実に卓美先輩じゃないけど…


「どうしたの?」

半「あー…実はね。“図書館”って所に行きたいんだけど、連れて行って貰えないかな?」

「図書館?何で?」

半「あぁ。さっき、元就君と話していてね。その図書館っていう所に興味が沸いてね。書物がいっぱいあるんだろう?」

「うん。そうだけど…元就も行くの…?」

半「あぁ。行きたいと言ってるよ」

「…うーん」


図書館かぁ…
本があって好きだけど、他の武将達を放っておく訳にはなー…


半「やっぱり、ダメかなぁ…」

ちらりと半兵衛の方を見ると、まるで飼い主に起こられた後の子犬の様にしょぼくれていた。

「あ…」

珍しい半兵衛の反応に、俺は一瞬動揺してしまった。


…そうだよなぁ。
いっつも光秀とか政宗とか幸村とか佐助とか、時々元親とかに構ってばっかだだもんなぁ…


「いいよ」

半「本当かいッ!?」

「うっ…」


くっ…
幸村には劣るが、何たる子犬…ッ!!


そんな訳で、俺は半兵衛と元就を市立の図書館に連れて行く事になった。…何だか、少しだけ嫌な予感がするけれど。
主に、あの騒ぎを起こす武将達の…


















































「て事で。俺と半兵衛と元就は、図書館に行ってくるから、皆大人しくね!!」

俺はいつにも増して、念を入れて武将達に言い聞かせた。

政「Wait!!夏流!!俺も連れて行けッ!!」

「…何でさ」


…来ると思ったよ、筆頭。


政「お前をこの二人と一緒に行かせられねぇんだよ!!」

「そんな…別に光秀と行く訳じゃないのに…」

光「夏流…それは、どういう意味です?」

「別に〜…」

仮に政宗を連れて行くとして、政宗だけでは少し心配な面がある。せめて、誰かもう一人…







.

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ