儚く恋しい“波乱万丈”
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風邪もすっかり良くなり、俺はのんびりと日曜日という最高の日を楽しんでいた。
朝からご飯を食べた後、元親とゲームで対戦。それを見ていた幸村が、「某とも勝負をッ!!!夏流殿ッ!!」と言ってきたのでそれを承諾し、いざ尋常に勝負(笑)。そして、極めつけは政宗との勝負。
そして只今、昼食を食べて自室で休憩中。
「はぁ〜…つっかれたー…」
ベッドにだらしなく横になり、大きな溜め息を吐く。しかしその溜め息は憂鬱なものではなく、ただ遊び疲れて出た至福の溜め息だった。
すると、ドアをノックする音がした。
半「夏流君、ちょっと入って良いかい?」
「え?あ、半兵衛!?」
半「…ダメかな?」
「あ、いや、いいよ」
ガチャッ
静かに入ってくる半兵衛。仮面の代わりに眼鏡を掛けている姿は、どこぞの生徒会長っぽい。
まぁ、確実に卓美先輩じゃないけど…
「どうしたの?」
半「あー…実はね。“図書館”って所に行きたいんだけど、連れて行って貰えないかな?」
「図書館?何で?」
半「あぁ。さっき、元就君と話していてね。その図書館っていう所に興味が沸いてね。書物がいっぱいあるんだろう?」
「うん。そうだけど…元就も行くの…?」
半「あぁ。行きたいと言ってるよ」
「…うーん」
図書館かぁ…
本があって好きだけど、他の武将達を放っておく訳にはなー…
半「やっぱり、ダメかなぁ…」
ちらりと半兵衛の方を見ると、まるで飼い主に起こられた後の子犬の様にしょぼくれていた。
「あ…」
珍しい半兵衛の反応に、俺は一瞬動揺してしまった。
…そうだよなぁ。
いっつも光秀とか政宗とか幸村とか佐助とか、時々元親とかに構ってばっかだだもんなぁ…
「いいよ」
半「本当かいッ!?」
「うっ…」
くっ…
幸村には劣るが、何たる子犬…ッ!!
そんな訳で、俺は半兵衛と元就を市立の図書館に連れて行く事になった。…何だか、少しだけ嫌な予感がするけれど。
主に、あの騒ぎを起こす武将達の…
「て事で。俺と半兵衛と元就は、図書館に行ってくるから、皆大人しくね!!」
俺はいつにも増して、念を入れて武将達に言い聞かせた。
政「Wait!!夏流!!俺も連れて行けッ!!」
「…何でさ」
…来ると思ったよ、筆頭。
政「お前をこの二人と一緒に行かせられねぇんだよ!!」
「そんな…別に光秀と行く訳じゃないのに…」
光「夏流…それは、どういう意味です?」
「別に〜…」
仮に政宗を連れて行くとして、政宗だけでは少し心配な面がある。せめて、誰かもう一人…
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