儚く恋しい“波乱万丈”
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終わる。
そう、終わるのだ。
後一日で、俺達学生にとって至福とも言える“夏休み”が…
「はぁ…」
政「Hum?どうした、夏流?」
幸「元気が無い様でござるが…」
光「その顔も素敵ですけれどね」
佐「明智の旦那…それ、思いっきりズレてるよ…」
Niceツッコミ、佐助。
小「確か、明日から“学校”というのが始まるらしいな」
親「ガッコー?」
就「この時代の子供が、勉学に励む所らしいぞ。馬鹿な鬼よ…」
親「馬鹿たぁなんだ!!馬鹿たぁッ!!」
半「喧嘩はやめなよ、瀬戸内組…」
「ぷっ」
半兵衛の的確な元親と元就へのツッコミに、俺は思わず吹いてしまった。
二人は顔を真っ赤にして、半兵衛を睨んでいる。それに対し半兵衛は、可笑しそうにクスクスと笑っていた。
俺はこれが、夏休みならでわの光景に見え、更に気が落ちてしまう。
あぁ…終わって欲しくないなぁ…
そんなことを思いながらも、俺は自室に戻り、明日の学校の準備を始めた。
明くる朝。
俺はいつも学校へ行く時より早めに起きて、佐助と小十郎さんに俺がいない間の事について説明をした。
「良い?俺がいない間、幸村とか元親とかが暴走しないように見張っといてね」
佐「承知♪」
「それから、出かける時は最低スーパーとか、日用品を買いに行く時だけにしてね」
小「ああ、分かった」
この二人がいてくれてホントに良かった。
すると、珍しく光秀が眠気眼を擦りながら起きてきた。
光「おはようございます、夏流。…おや?もう行くのですか?」
「光秀。いや、まだ行かないよ?ちょっとこの二人に、俺がいない間のことについて、説明とかしてたトコ」
光「あぁ…ホントに行ってしまうのですね」
「何でそんなに寂しげな顔すんだよ。昼過ぎには帰ってくるから」
光「分かっているのですが…」
不安げな表情を見せる光秀は、俺の頭に手を乗せ優しく撫でた。
佐「ちょっと、明智の旦那ッ!!夏流ちゃんに何やってんの!!??」
小「…この間もこんなことあったな」
光「おやおや、男の嫉妬は醜いですねぇ…」
二人が怒る理由は分からなかったが、俺は三人のやり取りに笑ってしまった。
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