儚く恋しい“波乱万丈”
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夏休みも終わりに近づいてきた。
あぁ、学生としては終わって欲しくないよぉ…
幸「如何致した、夏流殿?」
「あ、幸村。いや、そろそろ夏休みも終わりだなぁ…って思ってさ…」
幸「夏休みが終わると、何か嫌なことでもあるのでござるか?」
「あー…学校が始まるんだよなぁ…子供としては、休みがずっと続いて欲しいもんだよ」
幸「しかし、行かなければならぬのでござろう?ならば、己の力の限り頑張って行くべきだと思うぞ」
…ご最も。ていうか真面目だなぁ…幸村は。
流石、武田信玄の家臣だよ。伊達に殴り合いしてないね。
「これぞ熱血漢」と自分で納得して、リビングのソファーにどかっと座った。
そして、テレビをつけた。すると…
プルルルルル、プルルルルル
佐「夏流ちゃーん!電話鳴ってるよー!」
「んー!」
電話の元へ行き、受話器を取る。
「もしもし?雨宮ですけど…」
『あ、夏流!!久しぶりー!!お前の愛しい三流お兄ちゃんだよぉ〜♪』
「げっ、兄貴…」
『ちょっとちょっと!!兄貴って呼ばないの!!お兄ちゃんって呼びなさいッ!!』
「嫌だ」
…ハァ。
ウザい奴から電話来ちゃったなぁ…
「んで?何の用?」
『あぁ、あのね。会社からちょこっとだけ休み貰ったから、明日ソッチに行くねー♪』
「……え?」
う、嘘っ……今家に帰って来られたら…ッ!!
『ん?どうしたん?』
「あ、イヤ…別に」
『てことで、明日の正午頃にはソッチに行けると思うから、ヨロシクねー♪』
「え?ちょ?兄貴ッ…」
ブツンッ
ツー、ツー…
「………」
…どうしよう。あのブラコン兄貴の事だ。
絶対グチグチ言ってくるに決まってる…ッ!!
光「どうしたのですか?顔色が優れないようですが…」
「………」
あぁ…こんな時に、メチャクチャウザいのが。
光「そんなに睨まなくてもいいじゃないですか…」
「だってウザいんだもん」(キッパリ)
光「そんなにハッキリ言わなくても」
頭痛くなってきた。
ていうか、光秀と話してる場合じゃなかった。
…明日の事をどうするか考えないと。
「ハァ…」
政「Ahh〜?どうしたんだ、夏流?」
「あ、政宗。あ、うん、ちょっとヤバイ事になっちゃって…」
政「ヤバイ事…?」
小「何だ?話してみろ」
「…うん。あのね、明日兄貴がちょこっとだけ来ることになったんだ」
小「…ほぅ。で、何で悩んでんだ?兄が帰って来るんだから、もっと喜んだらどうだ」
「…政宗達の事、どうやって説明すんのかが…」
政&小「「あ…」」
政宗と小十郎は、半口を開け目を見開いて固まった。
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