捧げ物・頂き物
□意地悪の中の愛情
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ドタドタドタドタッ
バンッ!!
『おい光秀!!起きやがれ!!朝だ!!』
「ん……おや。夏流ではありませんか。夜這いをしてくるなら静かに」
『するかっ///それに今は朝だ!!』
ったくこいつは。
俺は夏流。見た目は女に似てるが、ちゃんとした男だ!!
「貴方はホントに小さいですね。」
『うるせぇ!!まだ成長期に差し掛かってねぇだけだ!!』
「そういう所も愛らしい。」
『ちょっ!バッ!何処触ってやがる!!』
光秀は俺に抱きついて太股を触ったから、光秀の腹に肘打ちを食らわせた。
てめぇが変な所を触るからいけねぇんだぞ、この変態光秀!!
「あぁ……痛い。」
『光秀が悪いんだよ!』
「まったく、そんなことをしたら、悪戯をしますよ?」
『はいはい。それより飯だ!!』
俺は光秀を置いてズケズケと歩いていく。
こんな風に光秀を毛嫌いした感じに見えるが、本当は俺は光秀が好きだ。
男が男を好きになるなんてありえないのに、何故か俺はあの変態光秀に恋をした。
変態だけど、何かといつも守ってくれるし、優しい時もある。
『何だかな〜……。』
「よう!夏流!」
『あ、蘭丸。』
「まーた光秀を起こしに行ったのか?物好きだな!」
『ちげぇよ。光秀が朝起こしに来いって言うからさ。ちゃんと行かねぇと何かされそうだし。』
「確かにな。」
俺は、蘭丸と一緒に歩いていった。
『あれ?無いっ。無いっ!!無い〜!』
俺は、朝飯を食った後に自分の部屋に行き、日課になっている日記が無くなっているのに気がついた。
どうしよう。
あれにはほとんど光秀の愚痴が書いてある。
明智に見られたら……っ
「貴方は私のことをそう思っていたのですね……。悲しいです。もう私と関わらない方がいいですよね。さようなら。」
うああああっ!!
そうなっちゃ駄目だ!!
「どうしました?夏流。」
ギクッ!
今一番会いたくない奴が入ってきた。
『で、出てけよ。俺は今物探して───』
「これの事ですか?」
『っ!!』
俺の日記!!
どうしよう。見られた。
絶対見られた。
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