儚く恋しい“波乱万丈”
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俺は、この非現実的な武将ズのお陰で忘れていた。
“宿題”という名の死神(笑)を――…。
就「どうしたのだ、夏流。浮かない顔をしているな」
半「何か心配事でもあるのかい?」
「あ、あぁ、いや。別に…」
就&半「「?」」
くそぅ…戦国時代は宿題は勿論、学校なんて無いから、この苦しみは分かるまいっ!!!
何で夏休み…そうっ!!!仮にも“休み”だよっ!?それなのに、何で“宿題”なんてあるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!
国語と英語と社会は何とかなるけど、数学と理科は絶対無理だぁぁぁぁぁぁッ!!!
「ハァ…」
ダダダダダダダッ!!!
幸「夏流殿ぉぉぉぉっ!!!」
ドバァァァァァァンッ!!!
ちょ…ドア壊れるんですけど。
お願いワンコ幸村(笑)…家を壊さないで。
「ど、どうしたの…?」
幸「某ッ…某ッ…もう我慢出来ないでござるうぅぅぅぅぅぅっ!!!」
幸村は、俺に泣きながら抱き着いてきた。しかし、すぐに自分のしたことに恥じたのか、叫びながら俺から離れた。
幸「す、すすすすまぬでござるぅぅぅぅぅっ!!!某は何て破廉恥なことをォォォォォォ…ッ!!」
「あ…いや、いいんだけどさ。で?どうしたの、幸村?」
うわぁ…マジでワンコみたいだなぁ…
幸「夏流殿ぉ…。某、甘味が食べたいでござる…」
「え?冷蔵庫の中に、何か入ってない?」
幸「それが、甘味らしきものが無かったでござる…」
「あ、マジか。じゃあ、買いに行こーか」
幸「誠にござるかっ!!??夏流殿ッ!!!」
「うん」
あぁ…どうしよう。宿題しなきゃなのに。
まぁ、いいか。
スイーツ買いに行くだけだし。
…という事で。
駅前のスイーツ店に、幸村と佐助(←幸村のお守り役)を連れて行く。
中に入ると幸村は、ガチでワンコみたいに目をキラキラさせてスイーツ達を眺めていた。
幸「おぉぉお…ッ!!これが先の時代の甘味っ!!某ッ、某ッ、感動したぞ、佐助ぇぇぇ…ッ!!!」
佐「あーハイハイ。旦那、他の客が迷惑してるから静かにねー」
Niceだ、佐助。
そこで釘指しとかないと、幸村絶対暴走する…
ってアレ?何で分かっちゃうんだ?
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