儚く恋しい“波乱万丈”
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「ん…あ、あれ…?何か、苦し…」
光「スー、スー…」
だーっ!!苦しいと思ったら、光秀の所為ッ!?
しかも光秀、悠長に寝てやがるし!!!
俺は、抱き枕ですか…全く。
光秀の長い髪が、俺の鼻を擽る。
ベチッ
くしゃみが出そうなのを我慢して、光秀の頬を軽く叩いた。
予想していたのだが、全く起きる様子がない。モゾッと少し動いたが、瞼は開かない。
…ムカつく。もう一回叩いてやるし。
ベチッ
「起きてよ、光秀。朝だよ」
光「う〜ん…もう少し寝かせて下さい…」
「ダメ。俺が苦しい」
光「…仕方ないですねぇ。ならば、私に接吻して下さい」
「はぁっ!?」
マジで意味わかんない……
俺のリアクションが面白く感じたのか、光秀は笑いを絶やさない。
「だから、女顔でも俺は男!!百歩譲って女顔は認めるけど、男だっていうのは譲らないからねっ!!」
光「…全く。お堅い子ですねぇ…」
「う、うう煩いっ!!」
そんな大声を出していると、ドタドタと何人かの足音が聞こえてきた。
ガチャッ
政「どうしたッ!?何かあったのか、夏流!!」
幸「夏流殿!!どうしたのでござるかっ!?」
親「明智に何かされたのかぁっ!?」
思いっきり寝癖のついている武将様お三方が、ノックもせずに俺の部屋に乗り込んでくる。
つか、何でノックもせずに入ってくんの…皆。
その何処からツッコんで良いのか分からない三人を、俺は素早くベッドから身を乗り出し、顔を赤くさせて一人ずつグーで殴った。
政「What!?何すんだ、夏流!!??」
幸「い、痛いでござるぅぅぅ…」
親「確かに痛ぇなぁ……っていうか、真田は武田のおっさんに殴られ慣れてるだろ…」
幸「おなごに殴られたのは、初めてなのだっ!!」
「だ〜か〜ら〜…」
お、おなごだぁ…!?
俺は怒りMax状態で、名だたる武将様達を怯ませる。
「俺は男ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
そんな中でも、光秀はまたもや悠長に眠気眼を擦っていた。
光「ふわぁ〜ぁ……やれやれ…騒がしいことですねぇ」
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