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□ディシプリンヘルレイザー
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私はまだ、自ら扉の向こうに行く事が出来ない。
彼の部屋のバスルームは、私をただ緊張させる。
うっすらと扉に透ける彼の姿が私を躊躇させる。
此処に居てもすぐに引き込まれるだけなのに、私は逃げる事もしない。
「準備出来た?」
聞こえた声に、震える頭。
この頭も身体も、慣れてしまっている。
言葉を出すことは出来ないけれど、頷くことは出来る。
扉越しに確認した彼が、手招きをする。
開かれた扉から湿った空気。
曇った視界に脚を伸ばせば、優しい腕に捕獲された。