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□ディシプリンヘルレイザー
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肌色の彼が、私を委ねる。

いいこ、いいこ。とあやすように。

暖かいタオルが下腹部に触れて、委ねた身体が秩序を戻す。

「自分でするから…。」

やんわりと制した腕は、彼の唇に吸い込まれてしまった。

指先から肘の辺りまで愛されて、羞恥心を煽る。
かろうじて浴槽に触れていた足先が、私の意思を背いてゆれる。

ゆれる足先は解れた合図。

彼が見逃す事はない。

「開いて、そう。動かないように。」

誘導されるがままの下半身。
解れた身体と覚醒する頭で葛藤するのは気持ちだけ。

十分に蒸された下腹部に、デコレーションするように盛られたクリーム。


今から私は剃毛される。


そう示された光景に、未だ慣れる事など出来なくて。

「ごめんなさい、お願い。自分でするから。」

「最後は喜んでいるだろ、いつも。」


拒絶を許さない滑る刃が、白い肌を露出していく。
ゆっくりと下がる彼の指が、触れる。
不定期に跳ねる身体は、苦痛、羞恥、快楽。

「動くと肌に傷が付くよ。」

楽しそうな彼から目を離す。
喜ぶのは身体だけ。
嫌がる私と、喜ぶ私で遊ぶだけ。


「こんなに愛してあげているのに、君にはまだ伝わらないみたいだね。」


シャワーの音は、おわりとはじまり。
アンバランスな身体の私に、彼から称賛のキスが降る。

「このまま、シようか。」

私が嫌だと懇願しても、聞く気なんてないクセに。
本当は、嫌だと言う気なんてないクセに。


シャワーの音に、全てが消える。

早く、全部終わればいいのに。








ディシプリンヘルレイザー
『Don'tWorry,BeHappy』様へ。
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