short

□love of killer whale?
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『…ッハックシュン!!

……ズビ…風邪かな?』

今日は特に冷え込む…

屋内とはいえ水族館だから

あまり暖房とか調節できないし


どうやら風邪をひいてしまったみたい。



「…なんだ、風邪か?

よく○○は風邪をひかないと言うのに」

『うぅ……サカマタのムカつく一言にも

強気で返せないくらい鼻が…寒気が…』

「そんなにでら酷いなら館長に俺から

頼んでおくか?」

『…いぃよ……皆のために休んでる暇なんて

ないんだから…ズビ…』

「それはでら助かる。



………がしかし、あまり無理をされて

倒れてもらっても困るからな。と言って

聞く葉月ではないだろうから

精々倒れない程度に頑張れ」

『わかっでるよ〜…じゃぁ掃除行ってぐる』

「あぁ」






しばらく咳きこみながらも水族館の掃除を

していた私だけど


さすがにヤバイかも…

視界がグラグラしてきた……



『はぁ……やっぱサカマタに言われた通り

にすれば良かった……な…』


そこで私は意識を手放した。












大好きな人の匂いがする。

潮のかおり…?

この匂いは…




サカマタ?



『ん……サカ…マ…タ……』


「やっと目が覚めたか?」




『!…何で…?ここ…どこ?』

「倒れたところをちょうど見つけてな。

一番近いのが俺の部屋だったから運んだ。」


『…そっか……ごめんね…』

額には濡らしたタオル。

サカマタがずっと看病しててくれたのかな?


『人の部屋にお邪魔してても悪いし…

自分の部屋に戻るね』

そう言って起き上がろうとする体を

無理やり戻された。

『?』

「まだ熱は下がってないだろう。

葉月は少々自分の体を酷使しすぎる所

があるからな。

今日ぐらいはゆっくり休め。このまま部屋に

泊って寝ていれば大分良くなるだろう」

『でも…それじゃサカマタが…』

「俺は今日館長からの命令で外部の

スポンサーの所へ用事があるから大丈夫だ」


『じゃぁ……お言葉に甘えて…』



そう言うと少しサカマタの表情が

穏やかになって



風邪をひくと人恋しくなるのかな?

同時に少し寂しくなった。



と思ったら

無意識に握っていたサカマタの手。




自分でも驚いたけど今だけは…いいよね…?



サカマタは一瞬驚いた顔をしたけど


すぐに少しだけ強く握り返してくれた。






もう少しだけ……



もう少し…




ゆっくりと押し寄せてくる眠気に

身を委ねながら

サカマタと繋がれた手を少し緩めたら





額に感じた。





その感触は



濡れたタオルの感触ではなくて…





二人だけの室内に響く


小さなリップ音が




私にその正体を教えてくれた。





「今日は…

でら特別だ」










((こんなんで生きていけるのだろうか

私…

サカマタさんは口調が難しい…

でらが最近口癖になってきた管理人は
もう末期ですw

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