俺ボルゾイ!!

□ひなたぼっこ
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ポカポカした日曜の午後。


二人は特にやることもなくベランダの近くで寝転がっていた。


日差しが暖かい……



『ホントに眠くなってきた〜…』


「時の流れを忘れるよなぁ…」



『ねぇふひきー……』



「……」



『?……あ』


返事がしないので隣に顔を向けると規則正しい寝息を立てるふひきー。


『先に寝ちゃった……』


せっかくだから寝顔を観察しちゃえ!





今や某動画サイトで多くのファンを持つ実況者ふひきー。


でも目の前に寝ているのは普通の若者となんら変わらない姿。



『可愛い寝顔ー…』


睫毛も長いし、ほっぺつつきたくなってきた…



寝てるし…気付かないよね?




そっと指を近づける




「人の寝込みを襲うのはいけないな〜…くわさんなら喜ぶかもだけど」

『!!』


あと少しのところで腕を掴まれた。




『もう少しだったのに…』



「そんな顔してもダーメ。悪戯っ子にはお仕置きしようか?」


『えっ…ちょ』



ドSふひきー発動!!

私の弱い脇腹をくすぐってきた!!


『ちょっ止め!!!あはははははは!!!!』


「まだまだっ!」





『もう……ホント止め…!!!』




不意打ちのキス。




今の私はとても間抜けな顔をしているんじゃないだろうか。






顔を離してから自分の唇を舐めるふひきーの仕草に心臓が飛び跳ねた。



「顔真っ赤」



『…うるさい』




赤い顔を隠すためにふひきーに背を向ければ



背中に感じた温もり。






「このまま寝ちゃおうか…」


『〜〜!!!!』




わざとなのか耳元で囁く声にぞくぞくした。







「寝るだけじゃ済まなそうだけど………いい?」


『ダメ』







そんな危ないやり取りをしながらもこんな時間にすごく幸せを感じる自分に





つくづく末期だなぁ…と思う今日この頃。

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