☆ソウシ☆

□昔話
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「お母さん・・・」


息苦しそうな声が部屋に響いている



ゲホッ!ゲホッ!!」


苦しい・・・


小さな少年がベッドの上で胸を押さえる

ガチャ


ドアが空き女の人が部屋に入ってきた
少年の顔がほころぶ


その女性は少年の頭に手をやると
優しく頭をなで
何かを少年に話しかけているようだった



少年の頭に置かれたタオルが交換され
女性は部屋を後にしようとするが


少年は女性の手を離そうとしない

困った様に笑う女性はベッドの脇に座り込み
少年の頭を撫でながら歌を歌った



少年が眠れる様に
柔らかくて優しい歌


どこかで聞いたことがある・・・


少年が眠りにつくと女性は振り返る


ソウシ
「おかあさん・・・」


ハッと目を覚ますと
見慣れた部屋の天井が見える



頬が涙で濡れていた



ソウシは頬に伝うその涙を拭いながら
ベッドでスヤスヤと眠る彼女を見た

ソウシ
「必ず・・・守るから・・・」



そう呟きながらソウシは彼女の頭を撫でる


「大切な人を二度と失いたくない」

そう胸に決意しながら
ソウシはそっと彼女の額にキスを落とす



ふ。と眠っている彼女が微笑んだ
その愛らしい仕草にソウシは思わず
笑みをこぼした





***fin***




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