☆シン☆

□rubeus(ルベウス)
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どれだけ離れていても、シンさんと繋がってる気がする

そんな風に思えるようになったのはいつからだろう



窓から見える空が、鉄格子で分割されている

ここは牢の中




○○○
「ハァ・・・又・・捕まっちゃった・・・」




数日のうちに二回も浚われるなんて・・・


これで何度目の捕虜生活なのか


○○○は小さくため息をつき、鉄格子で区切られた空を見上げた


月が綺麗だ

切り立った崖の上にこの塔は立っている



牢の壁によじ登り鉄格子に捕まりながら下を見た





○○○
「シリウスが見える・・・」




海の上にひっそり浮かぶシリウス号


ヒュウ、と、○○○が捕まる小さな窓から風が微かに頬を撫でた






真冬じゃなくてよかった

そんなに寒くはない

あそこに皆が居ると思うと○○○の心は安堵した




海から吹く風が鉄格子の柵を腐らせていたのか、○○○の持つそれが「バキン!」と音を立てて折れた





○○○
「きゃっ!!」




ドサ!と床に尻もちをつくとお尻がジンジンと痛んだ





○○○
「痛ったーーーい・・・」





一体、何故こんな事になったのか


事の始まりはロイの一言だった








ロイ
「吸血鬼を信じるか?」



クイ、と、顎を持たれ○○○はロイの顔を真正面から見る形になる




○○○
「吸血鬼?」





腕を後ろに縛られた○○○は、ロイのその手を振り払えない

グ、と、体に力が入る





ロイ
「おいおい。そんなに力むなよ。お前の美しい肌に痣が残るぞ」


○○○
「だったら・・・解いて下さい」


ロイ
「それは聞けない願いだな。あぁ・・・そうだ。お前が俺様にキスしてくれたら考えてやるぞ」


○○○
「ヤです」


ロイ
「即答かよ・・・」







パ、と、ロイは○○○の顎から手を離す
ここはリカーの船


シリウスに攻めてきたロイは、皆の隙をついて○○○を浚った





シン
「○○○!!」




しまった!そんな風に思っているだろう、浚われ際に見えたシンの顔が頭に浮かぶ






○○○
(シンさん・・・シリウスに帰りたいよ・・・)


ロイ
「そんな悲しそうな顔をするな」


○○○
「誰のせいだと思ってるんですか・・・」


ロイ
「そうだ。元気の出る様にさっきの話の続きを話してやろう」


○○○
(全然・・・話聞いてないし・・・)






はぁ、と、深いため息をつくと○○○はストン、と、床に腰を下ろす






○○○
(ロイさんの隙をついて・・・何とか逃げなきゃ)





○○○はロイの話に耳を傾けながら体の後ろで必死に手首をもがかせた



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