☆シン☆

□the eternal triangle2
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カタカタと馬車が揺れる

シンと○○○は
シンの母親の眠る村を目指す


シンは窓の外を見ながら
父の事・母の事そして今後の事を考えていた




(父の誤解が解けた今・・・俺はどうすべきなのか)


頬杖をつき遠くを眺める

ガラスに○○○の顔が映った


シン「○○○?」


シンが○○○の方を見ると
シンの肩にもたれかかるようにして○○○は眠っていた



少し微笑み
半ば呆れながら
そんな○○○の顔を覗き込む


うっすらと目の下にクマが出来ていた


シン「酷い顔だな・・・」



昨夜はシンの故郷に行くという事で
緊張してあまり眠れなかったようだ

シンが今後どうするかによって○○○の今後も決まる


シン「眠れなくて当然か・・・」



自身の肩に○○○の温もりを感じながら
ウトウトとシンも短い眠りについた




(俺がシリウスに乗り込んだのが・・・随分と昔に感じるな)




そんな事を思いながら静かに目を閉じる




シンは港にいた



母親が死んでモルドーを飛び出し
定期船に乗って他国の地を踏む



港に並ぶ倉庫街に映る自分の顔


左右違う目の色が嫌いだった


ガラスに映るその片方の目には
黒い眼帯が巻かれていた



シン(親父・・・俺はアンタを許さない)



眼帯の奥に怪しく光る瞳をしまいこんで
シンは海に目をやった


(ここには色んな船があるんだな・・・)



カモメが飛び交い
停泊している船が所狭しと並んでいる


しばらくボーッと船を眺めていると後ろから声をかけられた



「すいません」


胴着を着た優しそうな男がシンに微笑みかける


「あのー・・・顎髭を生やした背の高い男の人を見ませんでしたか?」


ちょっとタレ目の人なんだけど・・・と男が問う


シン「いや・・ここでは見かけなかった」


シンがそう答えると胴着の男はそう・・・ありがとうと呟き頭を掻きながら港を後にした


夜になりシンは港町を歩いていた



(とりあえず宿を探さないとな・・・)



突然右腕をぐい。と引っ張られた



「お兄さん!遊んで行かない?」


娼館の客引きだった


港町は人の行き交いが多い


こういうものもさぞかし栄えるのだろう


シンは断る理由も無く好奇心と溜まったウサを晴らすべく引かれた腕についていく


「1名様ご案内だよ」



店の中に入ろうとすると一人の男とすれ違った

背の高い顎にヒゲを生やした少しタレ目の男


(アイツは・・・)


シンが思考を巡らせていると後ろから耳にしたことのある声がする



「あー!!やっぱり!!こんな所にいた!!」



振り返ると港で会った優男だった


「もう!!どれだけ探したと思ってるんだ!」


「いやースマン!!ついつい足が向いてな!」


「船長が勝手にどこかへ行かないでくれ・・・」



ははっと笑う男を見て優男はため息をついた


シン(船長?)


あんな優男に見えて船乗りなのか・・・とシンは変に感心してしまう



立ち止まっていると優男にあ。と声をかけられる


「キミは・・・さっき港で会った・・・」



軽く会釈をするとくる。と振り返り
シンは店へ入ろうと歩を進めた


「航海士を探すって言ってたのに・・・」

優男とヒゲ男が店先で言い争う


シン(航海士・・・)


その言葉を聞くとシンは足を止め二人を見る


「お客さん?」



掴まれた手を振りほどき
シンは二人の元へ歩み寄ろうとした



その時



街頭からバアン!!と銃声がする


シン「!!!」



咄嗟に身を屈め銃声のする方を見ると
馬車に乗った二人組が先ほどの優男達の方へ突っ込んできた



男「リュウガ!!見つけたぜ!!」



二人の男は馬車をよけ男たちに対面した


「リュウガ。心当たりは?」

優男が呆れたようにつぶやく


「あー・・・ありすぎてわかんねぇ・・・」



飛びかかってくる二人の男を軽くかわし
優男達は難なくソイツらを地に沈めた



シン(強い・・・!!)




二人が這いつくばる男に背を向けた



その瞬間に倒れた男の一人がヒゲの男に銃を向ける

「し・・ねっ・・・」


パアン!!!


街中に銃声が響き悲鳴が上がる



優男が振り返ると倒した男の一人が銃を持ち血を流していた



リュウガ「へぇ・・・ソウシどうやらアイツに救われたみたいだぜ」



ソウシがリュウガの視線の先に目をやると
眼帯の男が銃を手に男の方を向いていた



シン「背中が隙だらけだ」


眉一つ動かさずシンは言い放つ



リュウガが声をかけようとすると街中に笛の音が響いた


ソウシ「まずい。軍の兵士がくる」

リュウガ「おい!お前!こい!」


リュウガはシンの腕を掴み笛のする方向と逆へ走る
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