★ひな祭りevent★
□The Doll's festival
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○○○
「コンテスト?」
○○○の驚きを気にする様子もなく、その男は続けた。
港の男
「ああ、あんたらもその為に来たのかと思ったよ」
船の名前を名簿に記しながら、男は言った。
もちろん、偽名。
シリウス号は補給のため、とある島に立ち寄っていた。
ソウシは入港料を男に渡しながら続けた。
ソウシ
「それで、そのコンテストとはいったい…?」
港の男
「ああ。この時期、年に一度の大きな祭りをやるんだよ」
男は金を数えると、確かに、と笑う。
港の男
「いつもはベストカップル、みたいな感じなんだが…今回の参加は女のみ!」
男は書類と一緒に、ソウシにチラシを渡した。
港の男
「王子さまの花嫁探しも兼ねてるんだと!」
その書類に書かれていた街の名前は、ガーリィ。
渡されたチラシの方には、『The Dolls’festival』と書かれていた。
港の男
「賞品がこれまたすげぇもんが出てさ!」
○○○
「凄いもの?」
港の男
「ああ!『星の涙』だ」
ソウシ
「!!」
○○○
「?」
ソウシ
「あのブラックオパール、ですか?」
港の男
「おお!あんた良く知ってるね!!」
男は嬉しそうにガハハと笑った。
港の男
「博物館に展示してあるから、見に行くと良いよ!」
ソウシ
「…どうも」
ソウシはにっこりと笑うと、その場をそそくさと後にした。
慌てて○○○もそれに続いた。
ソウシ
「…船長に知られてなければ良いけど」
○○○
「?どうしてですか?」
ソウシ
「○○○ちゃん、王子さまの花嫁になりたい?」
○○○はブンブンと首を横に振った。
ソウシ
「…ああ、でももう手遅れかな」