☆リュウガ☆
□その手の温もり
1ページ/2ページ
「リュウガ船長?」
めずらしく船長が部屋にいない。
いつも、この時間はお酒を飲みながら部屋で本を読んだりしてるのに・・・
○○○はリュウガを探しながら船内を歩く
○○○
(船長が部屋に居ない時は・・・)
パタパタと足音をさせながら甲板へ出た
太陽が、真上から柔らかな光で船を照らす
船尾を覗くと、リュウガの背中が見えた
彼の纏うマントが、風に遊ばれ揺れている
腕を組みながら海を見つめる、海賊王と呼ばれる男の立ち姿
○○○は、そんなリュウガの姿を見て声をかけるのを少し躊躇った
○○○
(海が・・・似合う人だなぁ・・・)
リュウガの姿越しに見える海と、風になびくマント
絵画の様に完成されたそれに、少し見入る
まるで、そこにある様に決められていたみたいだ。
○○○の視線に気づいたのか、リュウガは振り向き○○○を見つけると、頬を緩ませた
リュウガ
「どうした?」
○○○
「あ・・・ちょっと聞きたい事があって・・・」
リュウガ
「聞きたい事?」
○○○は風でなびく髪を抑えながらリュウガの隣に立った
並びながら海を見ると、太陽の光が海面に反射してキラキラと輝いていた
海が、穏やかな証拠だ
リュウガ
「嵐も無いし、風も穏やかだ。順調な航海だな」
水平線を見ながらリュウガは言った
相槌を打ち、○○○も同じ方向を見る
リュウガ
「何で、ここに居る事がわかった?」
○○○
「なんとなく・・・です」
根拠など、なかった
ただ、[何となく]そんな気がしただけだ
ふっ、と彼が笑った気がした
不意にリュウガの手が肩に回され、グイ、と引き寄せられる
リュウガ
「海を見ながらする考え事ってのも、中々いいな」