☆リュウガ☆

□その手の温もり
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「リュウガ船長?」


めずらしく船長が部屋にいない。

いつも、この時間はお酒を飲みながら部屋で本を読んだりしてるのに・・・

○○○はリュウガを探しながら船内を歩く




○○○
(船長が部屋に居ない時は・・・)




パタパタと足音をさせながら甲板へ出た

太陽が、真上から柔らかな光で船を照らす




船尾を覗くと、リュウガの背中が見えた

彼の纏うマントが、風に遊ばれ揺れている

腕を組みながら海を見つめる、海賊王と呼ばれる男の立ち姿




○○○は、そんなリュウガの姿を見て声をかけるのを少し躊躇った





○○○
(海が・・・似合う人だなぁ・・・)




リュウガの姿越しに見える海と、風になびくマント


絵画の様に完成されたそれに、少し見入る


まるで、そこにある様に決められていたみたいだ。




○○○の視線に気づいたのか、リュウガは振り向き○○○を見つけると、頬を緩ませた





リュウガ
「どうした?」




○○○
「あ・・・ちょっと聞きたい事があって・・・」



リュウガ
「聞きたい事?」





○○○は風でなびく髪を抑えながらリュウガの隣に立った



並びながら海を見ると、太陽の光が海面に反射してキラキラと輝いていた




海が、穏やかな証拠だ





リュウガ
「嵐も無いし、風も穏やかだ。順調な航海だな」



水平線を見ながらリュウガは言った

相槌を打ち、○○○も同じ方向を見る





リュウガ
「何で、ここに居る事がわかった?」



○○○
「なんとなく・・・です」



根拠など、なかった



ただ、[何となく]そんな気がしただけだ


ふっ、と彼が笑った気がした




不意にリュウガの手が肩に回され、グイ、と引き寄せられる






リュウガ
「海を見ながらする考え事ってのも、中々いいな」




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