★ひな祭りevent★

□The Doll's festival
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○○○の願いも空しく、ブラックオパールは本物だった。

シン
「『星の涙』は、その持ち主に幸運をもたらすと言われた宝石だ」

ソウシ
「手のひら位の大きさ、あの見事な黒、虹色の遊色…伝承の通りだ」

シン
「細工している様子も無い」

リュウガ
「そりゃあ、俺たちの物にしないでどうするよ?」



と言うわけでコンテスト当日。



○○○
「うう…緊張する」


コンテストではその女性の心技体を見ると言う。


女性は着飾ることと手料理を作ること、を条件にされていた。



○○○
(水着じゃないのだけが、救いかも…)




○○○は結局、振袖を着ることにした。



交易が盛んなのだろうこの街は、特に衣料品の店が多かった。


とりわけ、珍しいとされるヤマトの品物も数多く揃っていた。


○○○
(結構、着てる人も多いけどね)



服装の規定はこれといって無い様で、クラシカルなドレスからゴシックな装い等、煌びやかに着飾った女性たちが街の広場に集まっていた。


その中で、ちらほら振袖を纏う女性も。


○○○が身に着けていたのは、正絹と金糸を織り込んで立体感を出した、ひと目で上質と分かる代物。



手書きで染められた百花や毬が、華やかさを添えている。


あえて選んだ海を思わせる青緑色のそれは、明るい色味の服が多い中、ひと際目を引いていた。


○○○
「あ…」



設けられたステージの上に、スーツ姿の女性が立った。



女性
「これから『The Doll's festival』を開催いたします!」


女性が手を上げると、ファンファーレが鳴り響く。


その女性の後ろから、男が姿を現した。




○○○
(…?あれは…)



黒い髪で燕尾服を身に纏ってはいるが、少しふらふら歩いている。


○○○
(あの歩き方…ロイさん!?)


その男はステージの上に上がると、朗々と話始めた。




その男
「本日はお日柄も良く…」



○○○
(??違う、かも?…似てる人って、世界に3人いるっていうし…)


ふ、とその男の視線がこちらを向いた。


その男
「日ごろの成果を存分に発揮し…、○○○?」


○○○
「!!」


ロイ
「○○○じゃないか!お前も参加するのか?」

○○○
「え、えと…」





周りが一斉に○○○の方を見た。



ロイ
「バカだなぁ!こんな事をしなくても、お前は…」

女性
「…王子、そろそろお時間ですので」





横から先ほど司会をした女性が割って入った。




ロイ
「!!、あ、ああ…。皆、励むように!!!」


王子…もといロイがそう言うと、盛大に音楽が鳴り響き、花火が上がり、コンテストは始まった。


○○○
「ど、どうなっちゃうんだろう…!!」




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