花の姫
□21枚の花びら
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『(うっ…?)』
ソフィーはジョゼの攻撃を受けた後、目覚めつつあった
しかし、体はうまく動かない
すると、エルザとジョゼの声が聞こえた
「幽鬼の支配者はずっと一番だった…この国で一番の魔力と一番の人材と一番の金があった」
ジョゼは自分のギルドを自慢するように話す
「…が、ここ数年で妖精の尻尾は急激に力をつけてきた
エルザやソフィー、ラクサス、ミストガンやギルダーツの名は我が町までに届き、火竜(サラマンダー)の噂は国中に広がった」
そう話すジョゼの目には憎悪が宿っていた
「いつしか幽鬼の支配者と妖精の尻尾はこの国を代表する二つのギルドとなった
気に入らんのだよ、元々クソみてーに弱っちいギルドだったくせにィ!!!」
『(そんな…下らない事で……)』
「この戦争はその下らん妬みが引き起こしたというのか?」
エルザはジョゼに何度も斬り掛かるがやはり避けられてしまう
「妬み?違うなぁ
我々はものの優劣をハッキリさせたいのだよ」
ジョゼの言葉にとうとうエルザがキレる
「そ…そんな下らん理由で!!!
うっ」
ジョゼは魔力でエルザを縛った
「前々から気に食わんギルドだったが、戦争の引き金は些細な事だった…
ハートフィリア財閥のお嬢様を連れ戻してくれという依頼さ」
「う……く…(ルーシィ!?)」
「この国有数の資産家の娘が妖精の尻尾にいるだと!!?
貴様等はどこまで大きくかれば気が済むんだ!!!!!
ハートフィリアの金を貴様等が自由に使えたとしたら……間違いなく我々よりも強大な力を手に入れる!!!!
そるだけは許しておけんのだァ!!!!!!」
ジョゼはエルザを縛っている魔力に力が更に加わる
「がっ!!!」
更に縛りがきつくなり、エルザは血を吐き、苦しそうに歯をくいしばる
……が、エルザは笑った
「どっちが上だ下だと騒いでいる事自体が嘆かわしい…が……
貴様等の情報収集力のなさ…きも……呆れる…な…」
「何だと?」
「ルーシィは家出…してきた…んだ……家の金など…使えるものか………
家賃7万の家に住み、私たちと同じ…ように……仕事をして…共に戦い…共に笑い…共に泣く……同じギルドの魔導士だ……」
エルザは優しい表情で言うそしてエルザは更に続ける
「戦争の引き金だと?
ハートフィリアの娘だと?
花が咲く場所を選べないように、子だって親を選べない
貴様に涙を流すルーシィの何がわかる!!!!!」
『(エルザ…そうだ……護らなきゃ…ルーシィを……皆を…ギルドを…)』
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