花の姫

□17枚の花びら
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―マグノリアの東の森にある木の家にはマスターの昔からの知人でソフィーの師匠が住んでるんだって

ポーリュシカさんは人間嫌いで森の奥で一人でひっそりと暮らしている…

だけど魔法による傷を癒すスペシャリストなんだってマスターはそこに運び込まれたらしいの―



ポーリュシカの家には、マスターとポーリュシカ以外にソフィー、ビスカ、アルザックがいる


未だにマスターは苦しそうに寝ている





パチィン

しかし、ポーリュシカはマスターに容赦なく叩いた

「ちょ…ちょっとォ!!!」

「マスターに…いや、ケガ人に何て事するんですか!!!」

「フン

年甲斐もなくムチャをするからこんな事になるんだ

まったく……バカな男だね」


ポーリュシカは悪びれた様子もなく、自業自得だと言っているように聞こえる

「あんたらもいつまでいるんだい!!!ソフィー残してとっとと帰りな!!!」

「いや…しかし……マスターの容体が…」

「ソフィーばっかりに任せられません
看病させてください」


そう、ソフィーはマスターが倒れてからずっとポーリュシカの手伝いをしている

「帰りな

辛気臭い顔は病人にとって一番の毒だよ」



ポーリュシカの言葉にビスカとアルザックは顔を見合わせ、悔しそうに下唇を噛んだ

「ソフィー……どうやらあんたの考え通りみたいだね…
“風”系譜の魔法で“枯渇(ドレイン)”対象者の魔力を流出させる魔法…
流出した魔力は空中を漂いやがて消える」

『はい…漂っているマスターの魔力を集められたら回復も早いんですけど……魔力を集められなくて……』

「ならもう遅いね
こいつは長引くよ」



過酷か現実にソフィー達の顔は曇る

「そ………そうですか…」
「皆に伝えておきます」


ビスカとアルザックがそう言うとポーリュシカはまだいた事に怒る

「アンタ等まだいたのかい!!!」
「「Σええっ!!!?「聞いてくれ」みたいな空気じゃなかった!!?」」

「ソフィー、アンタもだよ」

『え!?』
「「Σいやいや、さっき「ソフィー残して」って言ってませんでしたっけ!!!?」」

「まだまだ腕が未熟なアンタがいても邪魔なだけさ

それに、これはアンタの仕事じゃない」





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