花の姫
□10枚の花びら
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―グレイSide―
…体が動かねえ…
ソフィーも連れて行かれちまった……
チクショウ……オレは…
好きな娘も護れねえのかよ!!!!!
オレが目を覚ますと、誰かがいた……
誰だ?
「だせえな…ハデにやられやがって」
いたのは氷づけのままのナツだった…
「ナツ…オマエ…何で……ここに…」
「村がどっちか分かんねえから高いトコまで戻ったんだよ」
「リオン……は…?」
「知らん、誰もいなかったし、儀式も終わってた」
じゃあ…やっぱりソフィーはリオンといるのか?
「……ソフィーはどうした?」
ナツが珍しく(←失礼)聞き辛そうに聞いてきた…
ソフィーは………
「………リオン…に連れて…行かれちまった……」
「…そっか…くそっ!!!あのやろぉぉ!!!!見つけ次第燃やしてやる!!!」
いや…ソフィーを連れて行かれたのはオレの所為だ…
ウルだって……
【「よせ!!!デリオラなんかに勝てる訳がないだろ!!!
お前じゃ無理だ、グレイ!!!」】
【「オレはS級クエストやるんだ!!!!」】
【「オメーらの実力じゃ無理な仕事だからS級っていうんだよ!!!」】
なんだよ……オレ、矛盾してるじゃねえか…
「ナツ……」
「あ?」
「オレには……お前の事言えねえ…何も言えねえ……
それに…ソフィーも護れなかった……」
悔しいすぎる……オレはいつもは流さない涙を流していた…
「負けたくれぇでグジグシしてんしゃねえ!!!!!
オレ達は妖精の尻尾だ!!!!!
止まる事を知らねえギルドだ!!!!!走り続けなきゃ生きられねえんだよ!!!!
ソフィーはまだ生きてるんだろ!!?だったら、助けりゃいい!!!!!そんで、次こそ護るって誓えばいい!!!!!」
「ナツ…」
…そうだな…
―グレイSide終―
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