大騒動!!宝珠院学園!!
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in2-1
「あっははは!!(バンバン)」
『…笑い事じゃねぇんだけど。』
現在2-1にて、机をバシバシ叩いているこの少女、名を川瀬 蛍(カワセ ホタル)。
翠の親友であり、オタクである。
今朝の事を話したら蛍がツボってしまった。
「ふ…ぶふ、ふひっ!!」
『(狽モひっ!!?)』
「いやー…あんたら本当、最高だわ!!」
『何が最高だ。俺は迷惑っつーか、困り果ててんだよι』
「でも剛くん困らしてないじゃん。」
『ああ、本当あいつだけだよ…』
翠は悟りを開いたように遠い目をし、黄昏ていた。
「おーい、別世界に行くなー(パタパタ)」
そんな翠の目の前でパタパタと手を振る。
「別世界にいくならあたしも連れてけーッ!!」
『何でだ。
つーか何を期待してんだ、こら』
「そんなの2z」
『分かった、言うな。』
蛍の発言に翠は手で制止させ、再びため息をついた。
そんなため息をついていたら幸せが逃げるよ、なんてツッコミを入れられる人間は残念ながらここにはいなかった。
「冗談だってば、冗談。」
『お前の冗談は本当に冗談なのか分かんなくなるから恐ぇんだよ…』
「…………ソンナコトナイヨ」
『そう思うなら目を見て話せ、つか本気で言ってたのか。』
目を反らし、かたごとで話す蛍に翠は思わずツッコミを入れる。
「今までが冗談だって言ったら?」
『へぇ、そうかそうかじゃあお前がこの前「数学ヤバイから教えてーッ!!」って泣きついてきたのは冗談なんだな。よし分かった。
冗談なら教えねぇからな。』
「狽「やーーーッ!!!
嘘、本当だから見捨てないでェェェエ!!!(泣)」
翠が笑顔でそう言うと、蛍は本当に泣きそうな顔で言った。
基本、翠はやると言ったらやる女だと理解している蛍にしたら、先程の翠の発言は死活問題である。
『冗談だから、そんな泣きそうになるな…(クスクス)』
「だっで…」
申し訳なさそうに眉を下げる翠だが、ちょっと笑ってる。
どうやら、蛍をからかっていたようだ。
蛍は蛍で、涙と鼻水がだらだら出でいて顔がすごいことになっている。
『あーも、鼻水出てるぞι』
「ディッジュもっでな゙い゙。」
『ったく、ほらチーン。』
「チーン。」
「「「(あんたは母親かッ!!)」」」
蛍の鼻をティッシュでつまみ、チーンをする翠に思わずクラス全員が心の中で一斉にツッコミを入れた。
「……。(ブッスー)」
『蛍…ι』
翠がからかったのが不満でしょうがない蛍は完全に拗ねていた。
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