三宝の翡翠

□壱ノ風
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ー伊作SIDEー

僕は今、留さんと一緒に裏裏山にいる。

何か、留さんが鍛錬とかなんとか言って裏裏山に行ったはいいけど、中々戻ってこないと思ったら案の定怪我をして歩くのが遅くなったらしい。

全く、治すの僕なのにねー。
また予算減ったのに無駄な怪我の削減から始めろよ(黒笑)




「はい、終わり。」

「毎回毎回悪ぃな、伊作。」

「そう思うなら、無駄な怪我作るの止めてくれない?(黒笑)」

「ハイ、スミマセン;;;」



本当、全くだよ。
さて、まだ日は高いけど早く帰ろっかな。



「帰ろうか、留さん。」

「お、おお。」



まだ冷や汗の引かない留さんと帰ろうとした、その時……



ーズズズズズ

ーどさっ



変な音が聞こえてきたと思ったら目の前の木が歪み、渦ができたかと思ったら女の子が出てきた。

尋常ならない光景にしばらく唖然としてしまった。



「な、なんだ今のは……」

「い、今変なところから出てきたよね…?」



まだ、今の光景が今だに信じられなかったが、女の子を見ると、腕の所を怪我していた。



「この子、怪我してる!!
治療しないと…」

「おい、伊作!!!!
怪しい奴なんだぞ!?」

「でも、ほっとけないよ!!」



保険委員だしね。



「…こいつ、何者だ?」

「うん、変わった着物着てるしね。」



南蛮や唐のものとは随分違うし。



『うっ……。』



すると、女の子は少し唸って目を覚ました。



「あ、目覚めた?」


ー伊作SIDE終ー



『うっ……』

ちくしょう、珀の奴…また変な飛ばしやがって……ッ。
あいつの最後の笑顔がめちゃくちゃ憎たらしい。帰ったら絶対フルボッコにして書類整理やらせる(ぇ)



「あ、目覚めた?」



目を開けるとふわふわした癖っ毛の茶髪の男と黒髪の好戦的なつり目の男がいた。

目の前にいた茶髪の癖っ毛の男が話しかけてきた。

…誰だ?



『あ、あぁ。
…ん?』



見ると、任務の時の怪我が治療されていた。
病院行った覚えねぇんだけど…。



「あ、勝手にだけど治療させてもらったよ。」

『あぁ、そうか。
ありがとうな。でも大丈夫だぞ?』

「え?あ、ちょっ;」



私は包帯を取ると掌仙術で治療し始めた。
時間無かったから治療できなかったんだよな。

よし、治った。



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