三宝の翡翠

□玖ノ風
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「なー、いい加減バレーやろうよー」



小平太がバレーを頭に乗せながら不機嫌顔で言った。

そう、今現在私達は校庭にバレーをしに来ていた。



「そうだね…早くやらないと昼休み無くなっちゃうし。」

『あぁ。
チーム分けはじゃんけんでいいか?』

「おう」



……で、じゃんけんした結果

・仙蔵、伊作、翠チーム

・小平太、留三郎、文次郎チーム

となった。
因みに、長次は審判だ。

元々は私達のチームだったのだが、人数調整で一人審判する事になったんだけど…
何でか早々に審判をやると長次が進んで言った。

本人曰く、「…小平太が相手チームだと色々大変だからだ」だそうで。


つまりなんだ、あれか?
自分の身を守る為か



………で、始まったのはいいんだが。












「食らえ、文次郎!!!!日頃の恨みぃぃぃ!!!!!」

「泊メて仙蔵;;;!!!
それ、炮烙ひ……

ギャアアアアアア!!!!!


仙蔵が文次郎に向かって何時の間にバレーボールと炮烙火矢をすり替えて文次郎にアタックした。

まずツッコミ入れていいか?

バレーってこんな遊びだったっけ!?



『……普段、恨みを持ってそうなのは文次郎の方なんじゃないか?;;

扱い酷いし。
何で仙蔵はあんなになってるんだ?』

「あぁ…、それね

文次郎と仙蔵は同室なんだけど、文次郎は夜に鍛練しに行くもんで、
いつも夜中煩くて眠れないんだって。」

『夜中って…

あぁ、昨日なんかギンギーンって珍獣のような鳴き声が聞こえてきたんだけどよ…あれ、文次郎だったのか』

「「「翠、その例えナイス!!!」」」



私がそう言うと、文次郎除く六年はグッと親指を立てた。



「誰が珍獣だ!!!!」

「「「お前」」」


「今時、ギンギーンなんて掛け声する奴なんてお前くらいだろ」

いたら逆にビックリするわ

大体、ギンギーンって言わなけきゃ俺のキャラが無くなるじゃねぇか!!」

『キャラがそんな事言っちゃ駄目だろ!!


って言うかさ…お前らそんな事言ってていいのか?』

「「あ?」」

『仙蔵がお前らに炮烙火矢でアタックしようとしてるけど』

「「え゛…ι」」



さっき、伊作がトスを上げて今、炮烙火矢が空中にある

だから何でボールじゃないんだよ



「留三郎、貴様もだ!!!!
文次郎と共に食らえ!!!!」


「秤エ完全にとばっちりじゃねぇか!!!!」










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