鏡ちゃんと先生
□鏡ちゃんと先生.2
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着いた場所は私の家から歩いて焼く10分くらいの場所にあるマンション。
私のところほどではないがここも結構綺麗で高そうなマンションだった。
『何、ここどこ?』
「馬鹿の家よ」
『ば、馬鹿ぁ…?』
私はずんずんと進んでいくのについていくので精一杯だったためそれ以上の質問はできなかった。
8階までエレベーターで上がってとあるドアの前まで連れて行かれる。
まだ腕掴んでるし。もうそろそろ離してくれてもどこにも行かないんだけどな…。
そしてインターホンも鳴らさずズカズカと家の中に入っていく。当然私も連れて入られるわけで。
『ちょ、ちょっと…』
これはまずいんじゃないの?私この家の主を知らないんだけど。
するとリビングと思われる方から女性の声がした。
「ちょっと、この料理を残してどこへ…って…」
「あんたの馬鹿多い料理、女2人で食べきれるわけないでしょ、馬鹿」
私の腕を掴み、まだ前進する。どこまで行くんだ。
あ、大丈夫。ちゃんと靴は脱いでる。放り投げたっていうか投げられたんだけど。
「そうじゃなくって、って馬鹿馬鹿言わないでよ」
「馬鹿に馬鹿って言って何が悪いの馬鹿」
私は女2人の壮絶な口げんかを他所に大分放心していたと思う。
まるで初めて知らない動物園につれてこられたキリンとかそんなかんじ。
「あ、そうそう。それで助っ人を連れてきたのよ」
そこでようやく私の紹介が入る。
私はつかまれたままグッと前に踊りだされる。
と、ここで驚いた。
声を聞いてまさかとは思ったけどそのまさか。
『せ、先生…』
「藤咲!?」
先生はどうして藤咲が!?とかずいぶんあわてているようだった。
相手があわてているとこちら側は多少冷静でいられるのはどこも一緒らしい。先生が慌ててくれているおかげで私の頭はずいぶんと冷静を保っていた。
「うっさいわね馬鹿。これは私の教え子よ」
そう、浅原(先生)は私の中学校時代の先生なのだ。
毎日毎日身体の心配をされ、食事は取っているのかという確認を取られ。最終的にはケータイの番号やアドレスまで聞き出され…。
強引な先生だった。
そんな浅原は高校になって私の面倒をみさされている森宮先生の友人のようだ。
「あんたが鏡の話ばっかりするから連れてきたわよ、この子それなりに食べるから丁度いいと思ってね」
「わ、私別に藤咲のことばっかり喋ってないでしょ!?捏造しないでよ」
浅原は適当に先生をあしらってリビングに入っていった。
いい加減私の腕を離してくれてもいいと思う。
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