*図書館戦争@*
□こたつ。
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〜堂上宅〜
郁と堂上はストーブを消し、今日出したこたつに入ることにした。
「こたつこたつ♪」
郁が鼻歌を歌いながらこたつに足を入れる。
「郁、みかん持ってこうか?」
こたつにみかん!!
「はい!!」
パァッと顔を輝かせ、郁が振り向く。
―可愛いな。
クスリと笑う。
堂上は郁から見て斜め右に座る。
「よっこらせ」
堂上がこたつに入る…が
「郁、足が邪魔だ」
「え?」
確かに、郁は足を伸ばして座っている。
「でもあたし、足が痺れやすいんです」
「俺もだが」
堂上のその言いぐさに郁は少しムキになる。
「あたしの方が足が長いですけど」
「…おまえ、喧嘩売ってんのか」
「ホントの事だもん」
口を尖らしてそっぽを向いた。
ゲシッ
「いっったぁ!!」
堂上が郁の足をシカトし自分の足を思いっきり伸ばしたのだ。
「すまんな、つい」
「絶対わざとだろ!!」
そして郁は伸びきっている堂上の足をお返しのように蹴った。
「おまっ…」
「そっちからやったんでしょーが!!」
それが合図かのようにこたつの中で足だけの激しい戦いが始まった。こたつの位置がずれていくのは当たり前だが、みかんが落ちる。
「みかん落ちたんでっ…拾って下さ…い」
「おまえのっ…方にも落ちてるぞ…」
こたつの中で激しく蹴り合いながらもなるべく平然としゃべるように努力する。
10分後…
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「ゼェ、ゼェ」
こたつの中で力尽きた2人であった。
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