短編
□暗黒の眠り姫(笑)
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俺はその日、久しぶりに学校にきていた。
まわりの女、男だって、俺を見れば黄色い声をあげる。
鞍「ふん、皆元気だったか?」
教室のドアを開けて少し笑みを見せると俺に気づいた生徒が、顔を輝かせる。
あぁ、清々しい気分だ。
皆に笑顔を振りまき、「特別だ」と言って雑誌にサインをする。
すると、
「邪魔なんだけど」
ーー ピタッと止まる周りの声。
静まる廊下。
周りの視線は全て俺と、俺の後ろ。
後ろから聞こえた声。
なんだ、今のは俺に言ったのか?
振り返ると、俺より少し小さいのがムスッとして睨んでいた。
…見たことない顔だな。
鞍「…ごめん。多分聞き間違えたからもう一回言ってくれる?」
由羅「邪魔」
鞍「この俺が…邪魔だと?」
由羅「そうだってば。ドアの前に突っ立ってれば邪魔になるだろ?そんなのもわかんねぇ訳?ちょっとどいて」
ドン、と肩がぶつかり皆からの視線を気にもせずに、小さいのはスタスタと教室内を歩く。
すると、クルリと振り返り、
由羅「お前がいない間に転入してきた由羅だ。俺の席、お前の前だけど野次馬うるせえしどっかいけ。後俺が寝てる間は物音たてたらぶっ殺す。ちなみに俺は自覚はあるが眠い時は凄く機嫌が悪い。だからさっきのは言いすぎた反省してる。だけどお前も悪い。以上、おやすみ」
ガタン!!
いうだけ言って机に突っ伏しやがった…!!
周りの反応は…!?
ひそひそ、ひそひそと、
このチビについて、
「かっ、可愛い…久しぶりに見たわ、由羅様のあんな怒ったところ…っ!」
「しっ、駄目よ!興奮するのは分かるけど大声出しちゃ駄目!」
「んふっ…でも相変わらずのツンデレ…あぁっ、だめっ!もう…声がっ…!我慢っ…
できなぃぃぁああああああああああああああ!!!!!!」
それをきっかけにチビへの愛が叫ばれる。
「ツンデレ由羅様可愛いっ!」「ほんっと俺由羅の事狙おうかな!」「ばっかお前男だろーが!」「あぁっ!これで鞍馬様×由羅様ルートができたわね!」「何言ってんのよ!巴衛様×由羅様←鞍馬様の由羅様総受けよ!」
由羅「うるせえええああああああああ!!!!」
俺がいない間に、
どうやら学校は変わってしまったようだ。