短編

□だから僕は、臆病に。
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3Z/銀時(生徒)オチ


だから僕は、臆病に。




俺は、人に優しくされるとつい意地をはってしまう。

銀「由羅、落ちましたよー、ん?テスト(」

由羅「お…落とした事位きずいてたしっ、拾わなくていい!」

ありがとう、とは素直に言えず。

銀「そーですか…可愛くないやつー」

とか言って頭を撫でてくる銀時。

由羅「なっ、//は、離せ馬鹿っ!それにテスト返せ〜ッ!」

手を振り払って、テストを取り返そうと手を伸ばすとそれをヒョイ、と上げられる。

テストは、銀時の頭の少し上、銀時が手を頭上にしてテストをヒラヒラさせる。

銀時の胸あたりに頭がある俺の身長じゃあ、届かない訳で。

銀時の胸を支えに、背伸びして取ろうとするけど届かない。


由羅「うー、身長高いよ馬鹿ァ…」

銀「(あー、可愛いマジ俺の癒し!)

ぴょいぴょいと飛び跳ねてると、銀時の後ろから総悟がそれを後ろからとった。

銀「あ。ちょっとなにするの総一郎君。」

沖「総悟でさァ」

総悟が俺を見てニッと笑い、テスト用紙を俺に差し出した。


まぁ俺は、返してくれるものだと信じて手を伸ばす。

由羅「ありがと、総ご、ぉおっ!?」


そしてその手を引っぱられ、総悟の胸へダイブ。

沖「由羅、こんなとこで大胆でさァ。俺困っちゃう」

由羅「やっ//、ちち、近いよっ!大体総悟が引っぱったからっ!」

沖「離して下せェ!」


とかいいつつ、思いっきり抱き締めてるのは総悟の方で。


銀「テメェが離せ!」

メリッと引き離す銀時。

由羅「ぎ、んとき…」

総悟には簡単に言えた「ありがと」が、喉でつっかえる。

簡単な言葉が、こうも特別な人の前だと、とてつもなく難しい言葉になってしまう。

臆病で、意地っ張りな僕には、それができないんだ。
その、言葉が出ないんだ。

由羅「な、なんでお前っていつも俺に構うの」


銀時に対して言った言葉。

沖「由羅が可愛いからでさァ」

由羅「や、お前に聞いてない」

が、帰ってきたのは違うもので。
総悟、うるさい。

沖「酷いでさァー、ねぇ、旦那?」

銀「だな、酷いぞ由羅。いつもいつもツンツンしやがって。たまにはデレも見せなさい」

沖「言葉のキャッチボールをして下せェ」

あーもう、うるさいな!

行こうとすると、銀時に掴まれた腕。

由羅「い、たっ…ッにすんだ」

銀「由羅さーん、どこ行くの?用事?」

用事?ってお前…。
今から学校なんですけど!

由羅「学校!しかもそのテストのやり直し朝一に提出だから急いでるの!」

沖「あ!!、俺日直だった!先行ってやすぜ!」

走り去った総悟。
えええ、なんて自己中。

なんなら俺も連れてってよ…。

とかいいたかったけど、まぁなんと総悟の足は早いもんで一瞬にして見えなくなってしまった。


由羅「…はぁ、急がなきゃ」

銀「走る?」

由羅「え、あ、いいよ銀時はゆっくり…あ、ちょ!鞄ッ…!!」

銀「ほーれ、遠慮すんな!走るぞ!」



凄い早さで走って行く銀時。


背中は、どんどん離れる。




なんだかんだで、お前は優しい。

そんな銀時だから、
余計に、
臆病になるんだ。


好きであってくれても、
好きでなくとも、

拒否されない言葉が怖くて、




だから僕は、臆病に。


(臆病者の変わりゆく様は、)
 

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