猫のかつろ。

□第2訓 猫のしごと
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由羅「え?書類?やだよ」

沖「何言ってるんでィ、仕事だろ」

由羅「いや、俺の書類は昨日終わらせたんだけど...それ総悟の書類だよね?」

沖「いい加減にしろィ!俺の仕事は由羅さんのだろうが!!!

由羅「パワハラどころの騒ぎじゃねぇ







ーーーーー



*猫のしごと*



ある日の昼過ぎ。

由羅「なんだかんだで入隊して五日経つけど江戸って割と静かなんだねぇ」


書類を済ませた由羅は隊服から楽な着流しに着替え、土方の部屋へと持っていきもう何度目か分からない「一本ちょーだい」をして二人で部屋にいた。


土「静かなうちが華だ。しかも此の期に及んでお前の歓迎会をやりたいなんて言いやがる。警戒は怠るなよ」

由羅「へぇへぇ、未だに俺は隊士達に挨拶できてねえしそんくらいしてくれたっていいんじゃねーの」


ぷかぁ、とだるそうに煙を吐く由羅。
いつもの土方なら仕事に戻れと言うところだが、今日は二人して午前中の勤務が終わればその後は非番。

由羅に「受け取りたいものあるから着いてきて」と言われ、書類が終われば着いて行くという約束をこじつけられたのだ。


由羅「ねー、まだぁ?仕事遅くね?」

土「うるせぇ、まだかかる。それにお前午後からって言ってただろうが」

由羅「んだよー、後2時間もあんじゃん、でも俺江戸に知り合いいないんだよなあ、ひーーーまーーー!!」

土「うるっせぇな集中できねぇ!」


もうかれこれ30分ほど部屋でじたばたとしている由羅。

ハァ、と毎度のごとくため息をつくと土方は思い出す。

土「万事屋のとこに行ってこいよ、どうせあいつら暇してんだろ」

由羅「...!その手があったな、じゃ、迎えにきてね〜、お疲れ!」

土「おい、俺はあいつらのとこなんか!...くそ」


土方の言うことなど聞き耳持たず由羅は颯爽と部屋を出て行った。






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