哀猫 -aineko-

□第一話
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「侍の国」

僕らの国がそう呼ばれていたのは今は昔の話 ――

かつて侍達が仰ぎ夢を馳せた江戸の空には今は異郷の船が飛び交う。

かつて侍達が肩で風を切り歩いた街には今は異人がふんぞり返り歩く。


  ‐―――――



…え、今更何で原作真似したのか?
いいじゃん、なんかそれっぽいじゃん。

あ、ちなみに今はただの人間です。
それ以上でもそれ以下でもありません。

そんなことよりも甘味が欲しい!!でもなんか嫌じゃん?猫耳ついた天人がさ?
男がさ?一人で甘味って!!

うん。そんなこんなでね。

俺は今、無性に甘い物が食べたい。
別に甘党って訳じゃねぇが、疲れてんのかな。

真選組に入って一ヶ月。
真選組にもだいぶ慣れ、真選組では「由羅兄貴」と呼ばれるようになった。

そうか、そうですか。
そんなに隊長としての風格はありませんかね。

んでもまあ、俺の腕も認められ真選組隊士はまだまだ少ないものの、全員で60人位集まった。
何も事件とかないんだけどね。
稽古手伝ってたらなんかいつの間にか慕われてた。

あー。でも俺が入隊した時は50人程度だったような?…あんまり変わってないのか。


はあ。今一人で見回りをしてるんだけど、俺頑張ってるからちょっと位サボってもいいよな。

「大丈夫大丈夫」
ほら、心の中の天使も言ってる。

よし、この店でパフェでも……


そして取手に手をかけた時、


由羅「へぶうっ!!!!」

誰かにぶつかった。
なんかフワフワしてる…


由羅「す、すんません…あ、」

顔を見ると、あれ?なんか見覚えがあるような。

死んだ魚のような目。
うっすらとだけど、…俺あんとき酔ってたからわかんないけど、

銀「や、こちらこそ…………すい、ま…あ!!俺の天使!!」

由羅「天使?あ、人違いなんで結構です」

俺は天使になった覚えはない。

だけど、強引に握られる手。
輝く瞳。なになになに、ちょっと怖い

銀「今までどこいってやがったんだよ!」

由羅「え、なに?なんなの?そんな関係じゃないよね?確かにリメイク前は攘夷時代からの知り合いですけども」

銀「え、ここでそんな事ぶっちゃけんの!?…てゆーか!この前泊めただけなのに諭吉が二人!!いつもパチンコで負ける俺があの金で回すと諭吉が十倍!!アンタ多分俺の天使だ!!」

由羅「ちょっと言ってる意味がよくわかんないです。離してもらっていいですか?」

ブンブンと上下に振り回される手。
えらく上機嫌だな…





ピピィー!!!

由羅「?」

若干本気でめんどくさくなってくると同時にどこからか聞こえた笛の音。

銀「ちっ、」

由羅「う?う、おおおぉぉぉおおおお!?」

ボケッとしてたらいきなり引っ張られ、スクーターの後ろに乗せられる。

え!なに!俺ってばまた面倒事にまきこまれんの!?

由羅「え、ちょ!巻き込まないでくれる!?」

銀「いや、巻き込まれてくれないとさ!!小説進まないから!!」

由羅「あんたもなかなかぶっちゃけるよn、ああああああ!!!!」

そんな俺を無視して走り出す天パ。


由羅「下ろせ天パ!はげちらかせ!」

銀「天パ!?ハゲ!?天パ差別!」

何言ってんのか本当にわかんないんですけどォ!!



すると後ろから全速力で走ってくる男が一人。


新「オオオオオオィィィィ!!よくもォォォォォ人を身代わりにィィィィしてくれたなコノヤロォォォォォー!アンタのせいでェェェもう何もかもメチャクチャだァァァァ!!」

ふはwwwテンションwww

由羅「すげぇなお前wwこっちバイクだぞww」

新「ちょっ!なんか原作の五倍位の早さになってるんだけどォォォォォ!!…じゃなくて!僕アンタのせいでェェェクビにされたんですよォォォォォ!今時侍雇ってくれる所なんてないんだぞォォォォォ!明日からどーやって生きていけばいいんだチクショォォォォォー!」

銀「しゃあねぇな…その木刀あげるわ」

新「いらねエエェ!役人も僕は違うって言ってんのにィィィィ侍の話なんてェェェ誰も聞きゃしないんだァァァ!しまいにゃ店長まで僕が下手人だってェェェ!」

由羅「なにwwなんなのww何で原作を超えるテンションで喋ってくんのwwwわろたww」

新「ヒエエエエエエエエwww」

ダメだこのサイト\(^o^)/

由羅「とりあえず無職なら真選組に入れば?」

新「真、選組?何ですかそ…」

キイィィィ!!!!
急ブレーキをかける天パ。

ゴツッ!!!!

いきなり止まったバイクに眼鏡の股間にクリティカル大ヒット!!

新「う゛っ!」

銀「うるっせぇんだよ!一言にたいして返事なげぇんだよ!何なの!?つかお前らのテンションなに!?」

由羅「お前に言われたかねーよwつかいきなり止まったら駄目!」

銀「すまねぇ母ちゃん」

由羅「誰が母ちゃんだ!」




?「あら?新ちゃん?こんな所で何をやっているの?お仕事は?」

すると、またもや知らない声が一つ。

新「げっ!」

妙「仕事もせんと何プラプラしとんじゃワレボケエェ!」

いきなり馬乗りになって殴りだすお姉さん。

…まあここは原作通りってことで大丈夫だよね?



 
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