短編

□今は亡き貴方へ誓う
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攘夷/銀時/死ネタ




消えた。

何もかも。



灰色の世界。
愛しい、嗚々、愛しい君が、


空を仰いで、
叫んでも、返ってくる事もなく、

涙を流しても、叫んでも、
どれだけ愛していても、
返ってくるものなど何もなく、

返答などなく、
ただ締め付けられる、この何かが、
苦しくて、切なくて、もどかしくて、

やりようのない、怒りが、




ただ、ふつふつと、

赤く、赤く、何もかもを染めて、

消えた、消える、消える、消して、



銀が、舞って、赤が、散って、

同じ事をしてるときずけなくて、
目の前の物が憎くて、
愛せなくて、愛しい君が言った
「ーーーーー」など、無意味で、

ただただ、痛かった。
痛々しい、棘さえも、刃さえも、
君の存在ですら、

失う瞬間の、儚く散って行く様が、
なんともどかしくて、

きっと、この痛みさえ愛で、

けれど、この愛は、
伝える事はできなくて、
もう、もう、もう、何もかも、が

染まって、
ただ、振り回すだけで、


刃も、血も、
置いて、


行かないで、愛しい、

居ない、


由羅、由羅、

由羅、


由羅、由羅



銀「由羅ーーー!!」


戦場を駆け巡る、


悲しき、夜叉




ーーーーー





桂「由羅がいなくなって、もうずいぶんとたったな…」

坂「…そうじゃな」


あれから
戦は、終わり、

何年もの月日がたち、

それぞれの人生を、歩む四人。

あるところでは、2人が由羅を思い、



高「来島、今日は良い酒を用意しろ」

ま「今日はなんかあるんスか、晋介様?」

高「昔…共に戦った奴の命日、だ」

ま「そうっスか…分かったっス!」





外へ出、らしくもなく空を見上げた。




高「……汝に、幸あれ、なんてな。ククッ」


大量の薔薇が、江戸にふる。

高「由羅、お前の好きだった薔薇だ。まァ受け取れや」



また、あるところでは一人が、




そして、一番に由羅を愛した者は、




銀「新八、神楽!今日はパーッとどっか食いに行くか!」

新「な、どうしたんですか珍しく!」

神「そうネ!明日はきっと槍が……な、にコレ。薔薇がふってるアルヨ」

新「本当だ!ぎ、銀さんっ!」

銀「…(高杉、か)」



あるところでは一人が、

そして、背負うべき、仲間が。


神「綺麗アル…」

新「だね、神楽ちゃん」

銀「由羅、見えてるか?」


ーーーーー見えてる、よ


届かない、想い同士の、…。



忘れた訳じゃない。
もう、愛してない訳でもない。


由羅の言葉を信じて…。



「ーーーーー」

生きてきた。

嫌になっても、生きて、きた。





神「今日は歩いて行こうヨ!」

新「ですね!」


忘れない。


ずっと、



(銀ちゃん!)
(銀さん!)








ーーーーー

「銀時…生きて、生きて、生き抜け。

俺、にはできなかった…事だ、


お前には絶対、

新しい、守るべき仲間ができるから」






由羅、俺、生きてる。



(その背中に背負うべきもの)





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