短編

□きっと僕らはこのままずっと、
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僕等は、きっと同じ感情を抱いてる。

「おっはよーさん!」

「おぅ!銀時、朝から元気だな」

「俺はいっつも元気でーす。」


学校の登校中、後ろから銀時がやってきた。

これまた、慣れた日常であって、一週間に一緒に行かない日などほとんどない。

特に待ち合わせの時間を決めた訳でもない。

一緒に学校に行こうと、誘った事もない。


ただ、お互いが自然に時間を合わせてきてるんだと思う。


「あ、やっべ、今日の宿題終わってねぇ!」

焦ったような顔をしてる銀時を見て笑う俺。

「なーに笑ってんですか由羅」

「ん?何でだと思う?」

「さては宿題見せるかわりに奢れとかいう事企んでる?」

「んーん。ははっ、バーカ、俺も宿題やってなーい」


なんだよソレ、と笑う銀時を見て笑う俺。


「銀時はいつも暇でしょー、何してたの?」

「んー、いつも通り、お前の事考えてたよ」


言葉、行動、全てが、

好きであふれてるのに

お互い気持ちを伝えあうことはない。


「じゃあ俺もアンタの事考えてた事にしよーっと」

「じゃあ、とか言うな馬鹿、俺の事考えてたんだよ、お前も」

「じゃあそうだな」



お互い、


好きで溢れているのは分かっている。

ただ、そんな事伝える術なんてお互い知る由も無く、ただただ、好き同士であって、


恋人同士という事実もなく、
(世間では、認められないから、)


好きと伝える事もなく、好きだと伝え満足し
誰かに認められる事もなく、蔑まれる事もなく、


ただ、それでいい。
死ぬまで、

好きな人ができようが、結婚しようが、お互いがお互い、


互いの将来を見守る為に、
死ぬまで好きでいられるように…


でも、伝わってるんだ、ちゃんと


盛大の「好き」が。





だから、きっと僕等はずっと

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