青学
□雪と話した
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ボクの頬は
ぬれやすい。
「2月29日が雪なんて、あまりにもそれっぽいね。
ね、裕太。」
「んー、そうだね。
兄貴の誕生日って感じ。」
いつもは素直じゃない弟が、微笑んで答える。
今年は閏年だから、2月28日にはお祝いはしない。
それなのに裕太ったら、それを忘れて昨日帰ってきてしまった。
ボクは大歓迎だけど。
「裕太、今日も帰ってきてよね。」
「帰ってくるよ、言われなくても!」
弟はうんざりという表情で返した。
「じゃ、お先に、兄貴。」
姉に学校まで送ってもらうらしい弟は、ボクより先に家を出る。
「ボクらしい誕生日ねぇ…。」
ボクの
頬は
ぬれやすい。