青学

□罪の果実
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「おはよう、手塚。」


目覚めたばかりの俺に、不二が隣で微笑んだ。

「今日は休みだし、このまま寝てても良いんだね。」

そう言って、赤いリンゴを取り出す。

「ね、手塚。これ食べよ?」
「ベッドで食べるのか?」
「そうだよ。大丈夫。洗ったから。」

そうではなく。

「お前は、何時に起きたんだ?」
「さっき?かな。ちょっと腰だるくて。
昨日久々だったからかな。」

その言葉に、昨夜の行為を思い出してしまう。
名前を呼び合って、好きだと言い合って、
下着は履いたものの、そのまま寝てしまったらしい。

「かじろう?手塚。」

そう言われて、ほぼ同時に、ひとつのリンゴをかじる。

林檎をのみこむときに、喉仏が動くのが妙に艶めかしかった。

「ふふ、ふふふ。」

そう思っていると、不二は笑いだす。

「裸で、リンゴを食べるなんて。
アダムとイブみたい。」

不二はリンゴを近くの机に置いて、
俺に口づけてきた。

「どう?罪の果実を食べてみて。」
「なにがどう?なんだ?」
「ねえ、手塚。ボクとまたしようよ。」
「……。」
「これは、罪の果実のせいで、ボクが欲情したんだからね。
君も、しない?」

聞いてくる唇が濡れていて、心臓が高鳴る。


不二を下にして、口づける。

不二はすぐに俺の首へ手をまわした。

「手塚。」

口の中が、甘くて溶けてしまいそうだった。

リンゴの甘みの後に、
皮の渋さを感じた。



fin

朝チュンでリンゴかじって
イチャイチャしてこれからピーみたいな話。

110712





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