四天宝寺

□外観
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「白石。今日から彼女と帰るばい。」
「白石先輩、さようなら。」





千歳に、彼女ができた。




「あ…そうなん?ほ、ほな気をつけて帰るんやで?」
「うん。じゃね、また明日、白石。」


白石は明らかに動揺して、
その場で泣き崩れた。



白石は、千歳のことがずっと好きだった。

一目ぼれに近く、常に一途。

そんな溺愛している千歳に彼女ができたんもだから、
白石が外で取り乱してしまうのも無理はないかと思った。


それが始まりだった。







次の日、白石は目を腫らす…
いや、腫らすよりももっと酷い、
涙の塩で肌を荒らして、目もほとんど開いていない状態で学校に来ていた。

「あぁ…。謙也、おはよう。」

「ん?目?おかしなっとる?」

「ずっと泣いててん…。」



どうやら白石はあのあともずっと、
一晩中泣いていたらしい。

「ん、俺ちょっと2年生の教室行ってくる…」


…なんか、白石っぽくないなぁ…。





暴力をふるっている生徒がいるという報告が来るのは、それからすぐだった。




駆け付けると、女子の悲鳴しか聞こえなくて、
2年のある教室は…
なん、あれ。
血?


ある女子生徒が…
白石に踏まれている。


白石は何か叫んでいるが、何を言っているのか全く分からない。
何人もの先生が止めに入るけど、まったく止まらず、女子生徒もぐったりしている。


背筋が凍った。


これが人間が発狂している光景なんだって。






生徒が家に帰された。

あとで光に聞いたら、あの女子生徒は亡くなったらしい。


「なあ、光、怖なかった?」

電話をしていたけど、結局光をうちに呼んだ。


「…怖かった。」


珍しく瞳が震えている光を見て、抱きしめた。

「…そういや、あの子、千歳先輩と付き合ったとか聞いた気がする……。」


思わず、光を抱きしめる腕に力が入った。




白石が、千歳の彼女を殺したっちゅうことなんか?



しかも、撲殺で。





また次の日、千歳から連絡があった。


『白石が精神科に入院ばしたらしいんやけど、
俺の名前よく呼ぶから来てち言われたばい。
ばってん、ひとりじゃ怖か。
謙也、一緒に来て。』



少年院に預ける前に、そうしたのか。



病院に行ってみると、白石はなんてない顔でベットにいた。


「千歳?千歳?」

「なんね、白石。」

「千歳千歳?」


白石は「千歳」としか言わない。


「なんで俺入院なんかするん?」



白石はなにがなんだかわかっていないようだった。





そしてまた次の日も千歳とともに病院へ訪れた。

昨日よりも酷かった。


なんや…名前知らんけど、
病気で入院している人につけられる心臓が動いているかわかるメーターみたいなのが
いつのまにかつけられていた。

しかも白石は目を覚まさない。

訪れてから3時間。

白石の心臓の動きがさっきから遅くなっている。

電子音まで流れ出した。
これは本当にヤバいのかもしれない。

「謙也!先生呼んできて!」
「お、おん!」

白石を呼ぶ千歳の声を聞きながらとりあえずナースコールした。
白石の親御さんを呼ぶかどうかを迷っているうちに、白石は目を開けた。


「白石んち連絡してくる!」


そして俺は公衆電話へと向かい、白石宅へ電話をかけた。
親御さんが今急いでくるらしい。

少しほっとして病室へ戻ると、
千歳が叫んでいた。


いつの間にか、先生も来ている。




白石の心臓は、俺が病室についてからしばらくして
ゆっくり、止まった。




fin


つまんねー小説ですね、すみません(^_^;)
これただのホラーですね。

結局は白石君泣きすぎて夢と現実がわからなくなってしまったんです。

夢を現実だと思いこみ
辛い現実を夢にしたんです。

そして優しい夢は白石君をそちらの世界に引き込みます。

そして白石君は…


酷い話書いてすみません。苦情は受け付けないです……。


110820





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